大型トラックの「謎の部屋」一体どんなところ? 内部はどうなってる? ドライバーだけが知っている「秘密基地」!? 実際の使い方とは!
大型トラックでは、運転席の上が部屋のようになっている構造のものがあります。実際、どのような空間になっているのでしょうか。
大型トラックの「謎の部屋」内部はどうなってる?
高速道路などで、トラックの運転席キャビンの上部に大きな流線形のパーツが装着されているのを目にすることがあります。
なかには小窓がついていて、まるで部屋のようにも見えるこのパーツは、一体どのような目的で設置されているのでしょうか。

このパーツは「エアデフレクター」や「導風板(どうふうばん)」、あるいは「風防(ふうぼう)」と呼ばれ、その最も重要な役割は、走行中の空気抵抗を低減させることです。
トラックは車体の形状から空気抵抗が大きくなりがちですが、このパーツが風の流れをスムーズにすることで、走行安定性の向上や燃費の改善に大きく貢献します。
しかし、その機能は空力性能の向上だけにとどまりません。車体で最も目立つ部分に取り付けられるため、トラック全体のデザインを引き締めるドレスアップの役割も果たします。
さらに、安全性への配慮もなされており、運転席と荷台の高さの違いから生じる不快な風切り音を和らげる効果や、雨天時に雨水がフロントガラスにかかりにくくすることで、ドライバーの視界を確保する設計上の工夫も施されています。
近年ではこのエアデフレクターを装着するトラックは増加傾向にあり、特に注目すべきは、内部を居住空間として活用できるタイプが存在することです。
その代表例が、いすゞの大型トラック「ギガ」に設定されている「マキシルーフ」。これは運転席の屋根の上にもうひとつの部屋を設けたもので、広々とした仮眠スペースを実現しています。
内部には左右の小窓のほか、蛍光灯やコンセント、カップホルダーまで完備。ハッチからハシゴで入る様子は、さながら秘密基地のようです。
さらに、専用のエアコンもオプションで用意されており、エンジンを切った状態でも快適な室温を保つことができます。
このマキシルーフは、特に長距離輸送を担う運送会社から高い評価を得ていると言い、いすゞ自動車の担当者によれば、「ドライバーがしっかり休息を取れるため、より遠距離の運行が可能になった」「乗務員からも好評」といった声が寄せられているそうです。
また、日帰りのドライバーからも「仮眠はしないが、荷物や着替えを置くスペースとして重宝する」という意見があり、多くのドライバーの労働環境改善に貢献しています。
なお、いすゞではニーズや予算に応じて他のタイプのエアデフレクターも選択可能となっており、キャビン全体を覆うことで空力効果を最大化する固定式、荷台の高さに合わせて角度を調整できる可変式、そしてコストを抑えた前面のみのボードタイプなど、多彩なラインナップが用意されています。
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トラックのエアデフレクターは、燃費や安定性を高める機能的なパーツであると同時に、ドライバーの快適性や安全性を支える重要な装備です。
もしサービスエリアなどで小部屋のようなパーツが付いたトラックを見かけたら、それはドライバーが束の間の休息を取っている最中なのかもしれません。
Writer: くるまのニュース編集部
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