日産「次世代プロパイロット」がスゴイ! 熟練ドライバーのような“ハンドルさばき&判断力”に「人の運転より安心できる!?」 27年度に導入予定の「運転支援技術」開発車を試乗!
2025年9月22日に、日産は開発中の次世代「ProPILOT」のデモンストレーションを東京・銀座で実施したと発表しました。2027年度の実用化を見据えたという同技術の開発試作車に筆者(工藤貴宏)が同乗試乗しました。
人間らしい「ハンドルさばき」と「判断力」に驚き
ここまでやれるのか。技術というものは気が付かない間にどんどん進化するものです。
とはいえ、日産の電気自動車「アリア」の車体に開発中の次世代運転支援技術システム(次世代ProPILOT)を搭載した開発試作車両のデモンストレーションは驚きの連続でした。

まずルートが凄い。今回、筆者(工藤貴宏)が同乗する車両が走ったのはテストコースでもなければ比較的交通環境が整った郊外でもなく、クルマも人も行き交う東京の銀座周辺。
路上駐車車両もあれば、信号などお構いなしに道路に出てくる人もいるし、ルールを無視して道路を我が物顔で走る電動キックボードだっている。
日本において最も交通がカオスな場所のひとつといえるでしょう。
今回のデモンストレーションはそこをクルマ任せで走ってしまおうというのだから、なんと大胆なチャレンジ。
あまりに「やっちゃえ日産」すぎませんかね。
そして実際にこの開発試作車両は、筆者の目の前で人間(ドライバー)は一切操作の介入がなく30分ほどのドライブを走り切ってしまったのだから驚くしかありません。
凄さはふたつ…ひとつは「ハンドルさばき」、もうひとつは「判断力」だと感じました。
まずはハンドルさばきから説明しましょう。クルマはあらかじめナビに入力された目的地へ向かってルートを選んで走ります(今回は経由地を設定してルートを決めてひとまわりするドライブ)。
そしてドライバーは万が一に備えてすぐにハンドルを握れる状態でスタンバイしていたのですが、運転に介入する必要はありませんでした。
クルマが勝手に進路を決めてハンドルを操作しているのですが、とにかくそのライン取りが絶妙なのです。
まっすぐ走っているときはもちろん、交差点だってクルマ自身が巧みに走行ラインをトレースしていくのだから圧巻。
あたかも上手なドライバーが運転しているかのように、不安はまったくありません。
そして判断力。たとえば混雑した街中の交差点での右折をイメージしてみてください。
「対向車もあるし横断歩道を渡る歩行者もいる。気が付けば信号のタイミングも変わりそう」なんていう、免許取りたての運転初心者なら音を上げてフリーズしてしまうような状況です。
銀座の交差点の右折はまさにそんな感じなのですが、この試作車両はしっかりとタイミングを見極めて危なげなく右折。
本当に本当に上手なドライバーのような振る舞いなのです。繰り返しますが「もうダメ~」と運転を放棄して人間に助けを求めることは1度もありませんでした。
もちろん日産は今回、そんなカオスなルートをあえて選択。次世代システムの実力を披露したのです。

デモンストレーション道中、銀座の裏道では横断歩道でもない場所でスッと現れてフラフラと車道へ入ってクルマの前に出てきた歩行者がいました(結果的に走っているクルマの直前を横切りました)。いわゆる「飛び出し」ですね。
でも試作車両は「はいはい、わかっていますよ」とでも言わんばかりの様子でしっかり停止(急ブレーキではなかったことにも驚いた)。
危なげの「あ」の字もなくかわすのだから、不慣れな人の運転よりもよっぽど安心できるというのが正直な感想です。




































