新型「コンパクトSUV」に大注目! 全長3.8mのトヨタ「ルーミー」級「ちょうどイイサイズ」! めちゃ広い室内空間で「日本に最適です」! 国産ライバル“皆無”なヒョンデ「インスター」がスゴい!

ヒョンデが日本で発売したコンパクトSUV「インスター」は、日本車よりも「日本の事を考えたクルマ」かもしれません。トヨタ「ルーミー」級でちょうどイイサイズが空白の国産EVにとっては、非常に大きな存在となりそうなモデルです。

日本メーカーよりも「日本の事を分かっている」かも!?

 2025年4月10日に、Hyundai Mobility Japan(ヒョンデモビリティジャパン)は、EV(電気自動車)の「INSTER(インスター)」を発売しました。

 日本の道路や運転習慣に合わせたこだわりが、日本車よりも深く感じられる1台です。

 どのような点が“日本的”なのでしょうか。

トヨタ「ルーミー」クラスのスゴいコンパクトSUVあらわる!
トヨタ「ルーミー」クラスのスゴいコンパクトSUVあらわる!

 少しずつ増えてきたEVの市場シェアですが、まだまだガソリン車やハイブリッド車が主流の日本。爆発的にシェアが伸びていかない背景には、充電環境はもちろんですが、国内メーカーのEVラインナップにも原因がありそうです。

 現在まで、国内市場で大きな販売実績を残したEVは、日産の「リーフ」。トヨタの「bZ4X」と並んで、車格はCセグメント以上です。

 一方最近では、日産の「サクラ」やホンダ「N-ONE e:」といった軽自動車のEVが登場し、特に2022年夏に発売を開始したサクラは、順調に販売台数を伸ばしています。

 国内メーカーの製造するEVは、ボディサイズが大小両極端になっているのです。

 一方、ガソリンモデルも含めて、日本で今売れているクルマは何かと考えると、トヨタの「ルーミー」が筆頭格として挙げられます。

 ルーミーのボディサイズは全長3705mm×全幅1670mm×全高1735mmです。このくらいのサイズで手ごろな価格のコンパクトモデルを、今の日本人は求めています。

 さらに今はコンパクトSUVのデザインテイストも、世界のトレンドとなっています。

 ヒョンデが日本に導入したインスターのボディサイズを見てみると、全長3830mm×全幅1610mm×全高1615mmとルーミーに近い全長・全幅です。

 狭い道路や駐車場でも扱いやすいコンパクトSUVスタイルが、インスターの大きな魅力のひとつになっています。

 コンパクトながらホイールベースを2580mmと長くすることで、インスターは室内空間も広々としています。この広さは国産の軽EVでは実現できません。

 4名乗車時でも後席足元のスペースは広く、荷室は通常時に280L、後席を前方へスライドさせれば最大で351Lにもなるのです。小さい中にも使い勝手の良さがあります。

 国産EVにとっての空白地帯に入り込んだインスターは、絶妙なポジションで日本のEV市場を席巻していくでしょう。

 パッケージングは、もちろん価格や、EVで重要な航続可能距離も、日本で売れている軽EV以上です。

 サクラの充電走行距離は180km。2025年秋に発売予定のホンダのN-ONE e:は、270km以上の航続距離となる模様(ともにWLTCモード)。

 一方でインスターは航続距離458kmと、軽EVの倍近い距離を1回の充電で走ることができます。

 さらに驚くべきは、補助金を含まない車両本体価格。

 サクラが259万9300円(消費税込み、以下同)から308万2200円なのに対して、インスターは284万9000円から357万5000円とほぼ同等。EVとしての実力や車両の大きさから見ても、インスターの価格は非常に大きな魅力です。

※ ※ ※

 ヒョンデからではなく、日本メーカーからインスターのようなEVが出てきてほしかったところで、なんとも歯がゆいばかり。

 EVではまだまだ遅れを取っている日本市場といえるでしょう。

 海外勢は実力をつけて、虎視眈々と日本のEV市場を狙っています。日本市場の活性化のためにも、日本メーカーには手ごろなサイズ・価格のEV開発も頑張ってほしいところです。

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Writer: 赤羽馬

金融業・自動車ディーラー営業マンを経て、ライターとして独立。幼少期からの自動車カタログ収集癖あり。エンドユーザーに役立つ話や経済・金融とクルマに関する情報を発信中。

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