復活! 日産新型「ティアナ」発表! 約7年ぶりに「全長5m級フラッグシップセダン」として登場! 「アルティマ」上位モデルとして、中国で発売へ
2025年8月18日、中国における日産車の製造・販売を担当する合弁会社「東風日産」は「ティアナ」の公式画像を公開しました。
日産「ティアナ」、「アルティマ」上位モデルとして復活
日産の中型セダン「ティアナ」が新たに発表されました。
かつて日本にもあったティアナ。
今回どのような経緯で発表されたのでしょうか。
また、いったいどのようなクルマなのでしょうか。

ティアナは「ローレル」や「セフィーロ」の後継となる高級セダンとして2003年に登場しました。
日本のみならず中国といったアジア・オセアニア地域にも投入され、世界的なFF高級セダンとして高い人気を博します。
2013年に登場した3代目モデルの「L33型」ではそれまで別車種として北米で販売されていた「アルティマ」と統合されました。
ティアナの系譜を受け継ぐ車型は2018年に4代目モデルが登場しますが、一方で日本向けティアナは3代目のまま2020年に終売します。
中国でもティアナはそのままの名前で2004年から販売されていましたが、2018年のフルモデルチェンジを機に北米と同じ「アルティマ」へと改称。
そんな中、中国市場で「ティアナ」の名前が復活することが判明しました。
2025年8月18日、中国における日産車の製造・販売を担当する合弁会社「東風日産」は「ティアナ」の公式画像を公開しました。
新たに生まれ変わったティアナはアルティマの上位モデルになると見られ、中国名は「天籟PLUS」となります。

「天籟」自体は2004年にティアナが中国で発売された時から現行のアルティマまで使用されている中国名で、今回のティアナ復活により通常の「天籟」が「アルティマ」、「天籟PLUS」が「ティアナ」を指す形になります。
新型ティアナのフロントは「デジタルVモーション」を全面に押し出したフェイスとなります。
現在販売中のアルティマも2022年のマイナーチェンジで「デジタルVモーション」を採用しましたが、ティアナではグリルの幅を拡大、ヘッドライトユニットをグリルの中に取り込むスタイルとなっています。
また、上部では左右一体型の弧を描くイルミネーションも新たに配置し、先進的なイメージを演出します。
異例の大ヒットを記録する中国専売BEV「N7」と同じく、リアは水平基調の左右一体型テールライトを採用、トランクリッド側のレンズ内では「NISSAN」のイルミネーションが赤く輝きます。
ホイールは19インチと17インチの2種類を用意しており、それぞれティアナ専用のデザインとなります。
なお、ボディサイズは全長4920 mm x 全幅1850 mm x 全高1447 mm、ホイールベースが2825 mmと、アルティマより全長が14 mm延長されています。
今回公式に発表された情報はまだ限られていますが、一方でその他の詳細に関しては中華人民共和国工業情報化部(通称:工信部)への届出情報から確認できます。
中国では自動車メーカーが中国国内で製造する新型モデルを発売する前に、その情報を工信部(日本での経済産業省や総務省のような省庁)に届け出る必要があります。
届出情報からはツートンカラーの設定も確認できます。

ツートンカラーは近年の高級セダンにおける流行りのデザイン要素で、ショルダーラインを分割線として明暗の異なる色を組み合わせることで、シックで気品のある雰囲気を演出します。ツートンカラーの設定からも、アルティマより上級のポジションに位置すると推測できます。
一方でパワートレインに関しては特に変更なく、「VCターボ」と呼ばれる可変圧縮比機構を採用するKR20DDET型2.0リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載するようです。
このエンジンは圧縮比を8から14の間で可変、走行状況に応じて燃費重視か出力重視かで切り替えられるのを特徴としています。
アルティマではMR20DD型2.0リッター直列4気筒エンジンモデルも展開されていますが、これがティアナでも同じく設定されるかは不明です。

東風日産は新型ティアナを2025年第4四半期に発売すると予告しています。
中国市場におけるアルティマはフルモデルチェンジから6年経った現在でも月6000台前後、多い時は1万台超を販売する月もあります。
一方で販売台数が当初よりも落ちていることも事実で、ここで新たなモデルを投入することにより、イメージを刷新して販売回復を狙うことでしょう。
ティアナが販売中のアルティマを丸ごと置き換えるのか、それともアルティマの上位モデルとして併売されるのかは不明ですが、価格は競合する中国勢に対抗すべく、現在の価格である18.88-23.98万元(約388.1-493.1万円)から安くなる可能性もゼロではありません。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。


















































































