「告発しました!」 盗難車のトヨタ「クラウン」とレクサス「LX」をギリ発見! 「コンテナ詰め密輸」“寸前”で阻止! “最後の砦”横浜税関が「摘発事例」公開 犯人は「超・高額罰金」も!?
横浜税関は、盗難車を輸出しようとした者を摘発した事件の詳細を明らかにしました。
アラブ行きコンテナに「クラウン&LX」を発見
横浜税関は2025年8月13日、公式SNSを更新。
盗難車の不正輸出未遂事件の詳細を明らかにし、犯則嫌疑者2名を告発したと発表しました。
一体何があったのでしょうか。

事件は2025年2月に横浜税関で発生しました。
通関手続き検査の際、職員がコンテナをチェックしたところ、申告があった内容とは違うものが詰められている(虚偽証明輸出)ことを発見。
神奈川県警察本部国際捜査課、山手警察署と共同調査を進め、7月31日に関税法違反で横浜地方検察庁に告発したといいます。
そのコンテナに詰められているのは、「盗難車」でした。行先はアラブ首長国連邦で、輸出される直前で阻止し、未遂に終わりました。
摘発された当該コンテナの複数の写真を見ると、扉を開けただけではフロントバンパーやタイヤ、ハブナックルなどの中古パーツのみ詰められているように見えます。
しかし、それらのパーツをかき分けたところ、トヨタ「クラウン」(15代目・先代モデル/時価230万円)とレクサス「LX」(3代目・先代モデル/時価700万円)の車体が隠されていました。
犯則嫌疑者は「このコンテナの中身はクルマの中古パーツです」と嘘をつき、中古パーツで秘匿して、盗難車を不正輸出しようとしたとみられます。
盗難車のクラウンとLXはいずれもフロントバンパーやライト、ボンネットなどが取り外された状態で、布団や包装用シートなどで簡易的に養生されています。
この真意は不明ですが、輸送中の傷を防止するため、もしくはクルマ丸ごとだと検査が厳しくなるため、「廃車した解体車です」とするために外した可能性もあります。
あるいは盗難車の出どころを隠すため、その足跡がバレないように細工した、という偽装工作も考えられます。
事件に関わった犯則嫌疑者は関税法第111条に基づき、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはその「どちらも」が科せられる可能性があります。
ちなみに貨物の価格の5倍が500万円を超える場合は、貨物の価格の5倍以下が罰金となるため、今回のケースではクラウンとLXの2台の時価額をあわせ、4650万円以下の罰金となります。
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自動車盗(自動車盗難)の件数は、セキュリティ装置の標準装備や市中の防犯カメラ設置などから2000年中頃をピークに1割以下に減少しました。しかし、警察庁の最新データでは、2024年の1年で6080件が依然発生しています。
また、現在の自動車盗は、強盗や詐欺などの犯罪で使うためにクルマを調達するのではなく、中古車として海外で販売してお金を稼ぐのが目的となっているため、特定の車種で際立って多く発生している傾向にあります。
主に海外でニーズが高いモデルをターゲットにしており、今回のLXやクラウンのほかトヨタ「ランドクルーザー」「アルファード」「ハイエース」「プリウス」、レクサス「LS」「RX」などが特に狙われています。
一度盗難されると、ナンバーを付け替えられたりして追跡を撹乱させられるほか、すぐに窃盗団のヤードに持ち込まれて細工されたり、コンテナ詰めにされ、輸出される手続きが取られるため、取り戻すことはほぼ不可能です。
そのため、実質的に輸出入を管理する税関が、「最後の砦」になっています。
こうしたことから近年、税関では水際取り締まりを強化しており、中古車では正しい手続きが取られたどうかを確認するため、「輸出抹消登録証明書」などの正式な書類の提出を求めたり、車台番号の確認を実施。
さらに、「大型X線検査装置」でコンテナを開けることなく不正輸出を発見できるようにしています。
また、盗難車のみならず、不正薬物や拳銃などの社会悪物品や、特許権や意匠権などを侵害するいわゆる「偽ブランド」の“バッタモン”などの水際取締りも強めているといいます。
一般からの密輸情報の提供も呼びかけており、公式の情報提供サイトや密輸ダイヤル「0120-461-961(シロイ・クロイ)」でも受け付けています。
















































