凄い話題だった… 日産の「全長4.1m×2ドアクーペ」 めちゃかっこいい「スポーティモデル」どうなった? もう「シルビア復活」は無いのか… 「IDx」いま振り返る!
2025年8月7日にX公式アカウント「Nissan NISMO」は「IDx NISMOを振り返る、時代を先取りしたコンセプト」と投稿しています。2013年の東京モーターショーで日産から発表された「IDx」は、従来のクルマづくりの概念を覆す新しいアプローチで生まれたコンセプトカーでした。改めて振り返ります。
次期シルビアと噂された…日産「IDx」 コ・クリエーションでデザインされたコンセプトカーとは
日産のスポーティな名車といえば「スカイラインGT-R/GT-R」「フェアレディZ」の2大ネームが挙がります。
ただクルマ好きにとって忘れちゃいけないのが「シルビア」です。昨今、日産を取り巻く環境は厳しいものですが、それでも「シルビアの復活」にはいまでも多くの期待が寄せられています。
そんな日産ですが、かつて「次期シルビア」と称された「IDx(アイディーエックス)」というコンセプトモデルがありました。
そんな日産の本気度が伺えたIDxですが、どのような特徴があったんでしょうか。

2025年8月7日にX公式アカウント「Nissan NISMO」は「IDx NISMOを振り返る、時代を先取りしたコンセプト」と投稿してまいす。
元々、2013年の東京モーターショーで日産から発表された「IDx」は、従来のクルマづくりの概念を覆す新しいアプローチで生まれたコンセプトカーでした。
若年層のユーザーに向けたコンセプトカーとなる「IDx」はFRスポーツカーで、巷では「次期型シルビア」ではないかと期待された車種です。
開発のプロセスには、特に注目すべき点がありました。
それは、ハタチ世代のジェネレーションZ(1990年代以降に生まれた若者)を積極的に参与させる「コ・クリエーション(共創)」という手法を取り入れ、新しい価値観をクルマ開発に反映させたことです。
日産によれば、このコ・クリエーション方式は消費者からの意見を開発初期段階から取り入れる手法で、1990年以降に生まれた「デジタルネイティブ」世代に向けて設計されました。
彼らのフィードバックを創造プロセスに組み込むことで、近い将来の実際の商品開発に応用できる可能性があると日産は考えていました。
●2つのバリエーション:シンプル志向とスポーティ志向
IDxはノッチバック型2ドアクーペで、デザインはシルビアと同じくFRクーペをイメージしながらも、3代目「ブルーバード」を思わせるクラシカルなもの。
このコンセプトカーには、2つのバリエーションとして、シンプルでカジュアルなライフスタイルに重点を置いた「IDx フリーフロー」とスポーティモデルの可能性を追求した「IDx NISMO」が存在していました。
IDx フリーフローは、ベーシックで素直なクルマの形として、全長4100mm×全幅1700mm×全高1300mmというコンパクトなサイズを実現しています。
シンプルな面構成でありながら、洗練さと品格を両立させたスタイルが特徴です。
インテリアは、全体的に落ち着いた雰囲気で、ファッション性も高く感じられます。
ダッシュボードはシンプルな真円のステアリングホイール、その上に配置されたアナログ時計、センターモニター、デニム生地のシートなど、センスの良いデザイン要素が採用されていました。
日産によれば、このインテリアは「リビングルームのような空間」を目指し、オーナーと友人がリラックスできる場所として設計。
シートに使用されたデニム生地は、適度に色あせた質感と色合いで、これまでのクルマにはなかった新しい質感と「原点回帰」の魅力を表現しています。
パワートレインには、コスト効率と走行性能を両立させた1.2リッター〜1.5リッターガソリンエンジンにCVT(無段変速機)を搭載。乗車定員は4人です。
一方のIDx NISMOは、まるでレーシングカーのようなデザインが採用されています。
フルフロントノーズやカーボンパネル、サイドマフラー、エアロダイナミクススポイラー、19インチホイールに225/40タイヤなど、スポーティなスタイリングが特徴です。
IDx NISMOの全高と全長はIDx フリーフローと同じですが、全幅は約1800mmと、よりロー&ワイドのプロポーションとなっています。
内装は、レーシングカーをイメージした赤色のアルカンターラ製シート、スパルタンで洗練された計器類、金属の光沢と赤いスエードのトリムにブルーのステッチというコントラストが特徴です。
パワートレインには、高性能で環境にも配慮した1.6リッター直噴ターボエンジンに、シンクロレブコントロールによるスポーティな走りが楽しめる6速マニュアルモード付きCVTを組み合わせています。
日産によれば、IDxのコンセプトに込められた思想は「デジタルネイティブ世代の価値観」の表現でした。
彼らはレーシングシミュレーションゲームで過去の名車や世界中のクルマを運転した経験を持ち、そのバーチャルな運転体験を実車で実現したいという自然な欲求を持っています。
IDx NISMOは、そうした若者の願望に応える形で、日産のボックス型レーシングカーの遺産を継承しつつ、様々な新しいディテールを融合させて生まれました。その結果、時代を超越したオリジナリティのあるクルマに仕上がったのです。

IDxが発表された当時の期待は大きく、次期シルビアとして市販化される期待を持たれましたが、実現することはありませんでした。
その後、日産は2021年10月、「過去における1960年代の輝かしいモデル『シルビア』を現代的に蘇らせた姿」というテーマで、新型のシルビアのビジュアルデザインを開発しています。
このデザインはIDxよりも現代風にアレンジされたもの。内燃機関を搭載したIDxとは異なり、新型シルビアは電気自動車となって、まったく新しいパッケージングを採用するとされています。
2002年のシルビア生産終了から20年以上が経過しましたが、この車種への想いはいまだに衰えません。次期シルビアの登場に期待する声は多いのです。
2013年に披露されたこのコンセプトは、その後の日産のデザイン哲学や開発プロセスに大きな影響を与え、昨今の「フローティングルーフ」デザインなど、現行の日産車にもその要素が受け継がれています。
日産のIDxは、車づくりに対する新しいアプローチと、若者の声を取り入れた革新的なデザインプロセスの先駆けとして、自動車業界に大きなインパクトを残したのです。
Writer: くるまのニュース編集部
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