トヨタ車にある「謎の“金色の鍵”」ってなに? 見た目カッコイイけど…実は「命を守る画期的機能」を搭載! クルマの“安全機能”が進化するアイテムとは?
トヨタには多くの車種で、ひときわ目を引く「金色の鍵」が設定されています。その正体とは、一体どのようなものなのでしょうか。
トヨタの「金色の鍵」とは?
トヨタ車には、豊富なオプションや純正アクセサリーが設定されており、それらを装備することで自分好みのカスタマイズを楽しむことができます。
そのなかには、複数の車種で「金色の鍵」がオプションで設定されています。
一体どのようなものなのでしょうか。

その正体とは、トヨタが提供する「プラスサポート用スマートキー」です。
この専用キーは、ドライバーのアクセルの踏み間違いを検知し、クルマの加速を自動的に抑制する安全機能を備えています。
特に、駐車場でのクリープ走行やバック時の目視確認など、踏み間違いが起こりやすい場面で安全運転をサポートします。
使い方は簡単です。車両を解錠する際に通常のスマートキーではなく、この専用キーを使用すると、「プラスサポート」機能が有効になります。
踏み間違いや過度なアクセル操作を検知すると、車両の加速を抑制し、警報ブザーやディスプレイ表示でドライバーに注意を促します。
この機能は常時作動するわけではありません。
例えば、急な坂道など加速が必要な場面では作動せず、状況に応じた運転が可能です。
また、標準スマートキーと併用することで、シーンに応じてプラスサポートの使用を選択できる点も特徴です。
トヨタは長年にわたり、業界をリードする安全技術を開発してきました。
1990年代の衝突安全評価「GOA」や、2012年に導入された「インテリジェントクリアランスソナー」、そして2025年現在では予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense(TSS)」がその代表例です。
TSSの主要機能であるプリクラッシュセーフティや緊急時操舵支援は、歩行者や車両などの障害物を検知して事故を未然に防ぎます。
しかし、障害物がない状況でのアクセル踏み間違いによる事故は、従来の技術では対応が難しい領域でした。
そこで登場したのが、プラスサポート用スマートキーです。
この機能は障害物の有無に関わらず加速抑制が働くため、駐車場での低速走行時などに特に有効です。
トヨタの調査によると、踏み間違いによる事故の約63%がこの機能でカバー可能とされています。
プラスサポートは、2020年7月の「プリウス」「プリウス PHV」の一部改良モデルで初搭載され、その後多くの車種に展開されています。
2025年8月時点の価格(消費税込)は、例えば「ヤリス」で1万3200円、プリウスで1万3530円、「クラウン」で1万4300円、「シエンタ」で1万5400円です。
対応車種には日常使いのモデルも多く、幅広いユーザーが導入しやすい点が魅力です。
さらに、ディーラーオプションとして車両購入後に追加装備できる手軽さも支持されています。
1万円台という手頃な価格で安全性を向上できる点も、選ばれる理由の一つです。
理想的には、プラスサポートが作動しない安全な運転が望ましいですが、万が一のアクセル踏み間違いに備える「お守り」として、この金色の鍵は大きな安心を提供します。
トヨタの先進的な安全技術を気軽に取り入れたい方にとって、魅力的な選択肢と言えるでしょう。
Writer: 青木一真
埼玉県生まれ。宅配ドライバーを経験した後に、車中泊関連の記事執筆を開始。現在はフリーライターとして、車メディアに従事している。自動車は輸入車、スポーツカー、SUV、ミニバン、軽自動車の所有を経験。月間3000kmほどを走行している。


























