トヨタ最新型「クラウンマジェスタ」!? 「340馬力超え」のハイパフォーマンスモデル!V8エンジン搭載……じゃないけど最上級モデルな「クラウン」サウジ仕様とは
かつてトヨタの最高級セダンとして君臨した「クラウンマジェスタ」。2018年にその歴史に幕を下ろしましたが、近年、海外でその名が「復活」したようです。はたして、その正体とはどのようなクルマなのでしょうか。
現行クラウンマジェスタ!?
トヨタ「クラウンマジェスタ」は、日本の自動車史において特別な輝きを放つ一台です。1991年、バブル経済の絶頂期に、クラウンとセルシオ(後のレクサスLS)の間にあった空白を埋める戦略的モデルとして誕生しました。

最大の特徴は、単なるクラウンの上級グレードではなかった点にあります。クラウンとは異なる独自のフルモノコックボディを採用し、心臓部にはセルシオ譲りのV型8気筒エンジンを搭載。圧倒的な静粛性と余裕のある走りで、たちまち日本の富裕層や法人ユーザーの心をつかみました。
その後も、2代目に採用された象徴的な「縦型テールランプ」や、ショーファー需要に応える豪華な後席装備など、世代を重ねるごとにその威厳と独自性を高めていきました。5代目ではレクサス「LS」と共通の4.6リッターV型8気筒エンジンを搭載し、まさに国内向けフラッグシップの頂点を極めました。
しかし、その栄光は永遠ではありませんでした。2013年に登場した6代目は、マジェスタの歴史における大きな転換点となります。長年守り続けてきた専用ボディは廃止され、クラウン・ロイヤルのホイールベースを延長しただけの車体となり、象徴的なV8エンジンも3.5リッターV型6気筒のハイブリッドシステムに置き換えられました。
この「特別感」の希薄化は、顧客離れを招く決定的な要因となりました。独自の存在意義を失ったマジェスタは、グローバルブランドとして確立されたレクサスとの間でその立ち位置が曖昧になり、販売台数が減少。そして2018年、ついにその27年の歴史に幕を下ろしたのです。
そんなマジェスタの名が、近年、中東のサウジアラビアで復活したというニュースが報じられ、日本のファンを驚かせました。
現地で「マジェスタ」として販売されているのは、セダンではなく、日本における「クラウンクロスオーバー」の最上級グレードです。
ボディサイズは全長4980mm×全幅1840mm×全高1540mm。マジェスタグレードの外装には21インチのアルミホイールや洗練されたLEDヘッドライトが与えられ、内装にはカスタマイズ可能なデジタルメーターや最新のインフォテインメントシステムを搭載するなど、快適性と利便性を追求した設計が施されています。
最上級モデルであるマジェスタは、2.4リッター直列4気筒ターボエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。最高出力344PS・最大トルク550N・mという力強いスペックを誇ります。その一方で、燃費性能も18km/L(カタログ値)と優れており、高いパフォーマンスと環境性能を両立させています。
そんな現代のクラウンマジェスタに対し、日本のSNSではさまざまな声が上がりました。「マジェスタを名乗るならV8エンジンが良かった」「初代の豪華さを再現してほしい」といった、V8エンジンと独自の存在感を持つ、かつての姿での復活を望むノスタルジックな声が多く見られます。
かつての伝統は持ち合わせていないクラウンマジェスタですが、今後どのような展開を見せるのか、注目です。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。





























































