2025年7月8日にトヨタの欧州法人は、同月31日から8月3日にかけてフィンランドで開催されるFIA世界ラリー選手権（WRC）第9戦「ラリー・フィンランド」にて、水素を燃料とするエンジンを搭載した「GRヤリス ラリー2 H2コンセプト」を初めて公開すると発表しました。

　同車に対して、ネット上では多くの反響が集まっています。

　GRヤリス ラリー2 H2コンセプトは、トヨタのモータースポーツ部門であるTOYOTA GAZOO Racing World Rally Team（TGR-WRT）が開発を担当し、ラリー競技用の「GRヤリス ラリー2」を基盤に、気体水素をエネルギー源とする革新的な内燃機関を搭載しています。

　最大の特徴は、走行中に二酸化炭素の排出をほぼゼロに抑えながら、従来のガソリンエンジン搭載のラリーカーと遜色ないエンジン音や運転感覚を提供することです。

　これにより、環境に配慮しつつ、モータースポーツの迫力や興奮を損なわない新しい形の競技車両が実現。

　トヨタは、モータースポーツを通じて技術を磨き、カーボンニュートラル社会の実現を目指す取り組みを加速させています。

　トヨタはこれまでにも、2021年には水素エンジンを搭載した「GRカローラ」を日本国内のスーパー耐久シリーズに投入したり、2022年にはベルギーで開催されたWRC第9戦で「GRヤリスH2」を披露し、欧州のラリー競技の舞台で水素エンジン車両の走行を成功させるなど、モータースポーツを活用した技術開発と環境対応の両立に注力してきました。

　今回発表されたGRヤリス ラリー2 H2コンセプトは、これまでの成果をさらに進化させたもので、ラリー2カテゴリーにおける水素エンジンの実用性や可能性を探ることを目的としています。

　競技車両としての性能を維持しつつ、環境負荷の低減を実現する技術の結晶と言えるでしょう。

　トヨタは、このプロジェクトを通じて、モータースポーツの未来像と持続可能な社会の両立に向けた新たな一歩を踏み出しています。

　ラリー・フィンランドでは、この車両のデモンストレーション走行が大会の初日と2日目に行われる予定です。

　ステアリングを握るのは、WRCの伝説的ドライバーであるユハ・カンクネン氏。

　競技としての正式な参戦ではありませんが、世界的に注目を集めるラリーの舞台で水素エンジンの可能性をアピールする貴重な機会となります。

　この走行を通じて、トヨタは水素技術の信頼性や魅力を広く発信することを目指すといいます。

　そんなGRヤリス ラリー2 H2コンセプトに対して、ネット上ではトヨタの水素エンジン技術への期待と注目度の高さを示しています。

「水素エンジンのラリーカーはモータースポーツの魅力を保ちつつ、カーボンニュートラルを実現する未来感がすごい！」「トヨタの技術力と幅広い展開に驚く」「ユハ・カンクネンの運転が楽しみ」と、環境技術とモータースポーツの融合に熱い声が集まっています。

　また「ガソリン車のようなフィールでCO2ゼロなら理想的」「エンジン音が残るなら、モータースポーツの魅力もそのまま残せそう！排気音が気になる」「実用化が楽しみ、応援したい」との意見も多く、ラリー・フィンランドでのデモンストレーションは、モータースポーツファンだけでなく、環境技術に関心を持つ多くの人々にとっても見逃せないイベントとなりそうです。