運転で右腕だけ日焼け… 「ドアガラスにUVカット」女性だけでなく男性ニーズも高まる
「ジリジリ日焼け」はUVカットでは防げない?
――UVカットは暑さもカットするわけではないのでしょうか?
UVは暑さとは関係ありません。しかし、日差しの暑さやジリジリ感と、日焼けを混同してしまう方もいますので、その原因をカットして快適性を向上させることを主目的に、IR(赤外線)カットのドアガラスを開発しました。もちろん、IRカットは室内温度の上昇を抑制してエアコンの効率を高め、燃費に貢献しているという側面もあります。
IRカットの効果として、肌表面の温度で従来比マイナス2度と説明しています。ただしこれは効果をわかりやすくするためで、実際にはIRは波長が広く、商品によってカットする波長も若干違ってきます。
――UVカットなどへのニーズは高まっているのでしょうか?
はい。関心だけでなく、紫外線に対する一般的な知識も深まっているといえるでしょう。日焼けしたら皮がむけ、また皮膚が再生して……というような短期的な視点ではなく、長期的な視点で健康への影響を理解されている方が多いです。
たとえば、「全周99%UVカットガラス」はお母さん方の声を受けて誕生したものです。これまで子供さんに日焼け止めを塗ってクルマに乗せていたところ、その手間がなくなったという声があります。UVカットについては女性のみならず、男性のニーズも高まっています。
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ちなみに、UVやIRカット率を向上させるフィルムなども市販されていますが、AGC旭硝子によると、フロントガラスとフロントドアガラスの3面については可視光透過率70%以上であることが法令で義務付けられており、フィルムなどを貼ってこれに満たなくなった場合は、車検も通らないそうです。
ガラスそのものをUVやIRカット率の高いものに替えることについては、「フロントガラスは可能ですが、ドアガラスは車種が限られてきます」と話します。
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