運転で右腕だけ日焼け… 「ドアガラスにUVカット」女性だけでなく男性ニーズも高まる
フロントガラスはほとんどのクルマでUVカット率99%ですが、ドアガラスはどうでしょうか。日差しの強い日に乗っていると、「右腕だけ日焼けする」という声も。また、これらは暑さもさえぎってくれるのでしょうか。
フロントはほぼ全車99%UVカット ドアガラスは?
日差しの強い日の車内では、窓ガラスを閉めていてもジリジリと暑さを感じることがあります。フロントガラスとドアガラスとでUV(紫外線)カット率が異なるのか、腕を出していると半身だけ日焼けする、という声も聞かれます。
実際にはどうなのでしょうか。自動車ガラスで世界トップレベルのシェアを有する旭硝子(AGC旭硝子、東京都千代田区)に、その性能などを聞きました。
――フロントガラスとドアガラスとで、UVカット率に違いはあるのでしょうか?
フロントガラスについては、現在日本で走っているほぼすべてのクルマが、UVカット率99%となっています。というのも、フロントガラスは衝撃を吸収したり、破片が飛び散らないようにしたりするといった安全面の理由から、中間膜を有する合わせガラスであることが義務付けられています。この中間膜に、紫外線や熱をカットする機能があるのです。
一方、フロントドアガラスについては、一般的にUVカット率は90%、一部の商用車や軽トラックは70%台のものもあります。これは値段にも比例するのですが、日本ではUVカットのニーズが高いため、海外よりもカット率の高いガラスを採用するケースが多いです。
――ドアガラスもUVカット率が高い車種はあるのでしょうか?
はい。2010(平成22)年にUVカット率を99%に改善したフロントドアガラスを、2012(平成24)年にはさらに、「暑さ」のもととなるIR(赤外線)も軽減するフロントドアガラスを市場投入し、それぞれトヨタ「ヴィッツ」に初採用いただきました。2018年6月現在、99%UVカットのフロントドアガラスは新車の約半数に採用されています
――リアのガラスについては、UVカット率はどれほどなのでしょうか?
一般的にリアガラスやリアドアガラスには、暗めの色のプライバシーガラスが採用されています。サングラスのように暗いので紫外線などもカットしているイメージがあるかもしれませんが、実際にはUVカット率95~97%といったところです。これを99%に向上させた商品を2015年に発売し、クルマの全ガラスを99%UVカットとする「全周(360度)99%UVカットガラス」を、トヨタ「エスティマ」とホンダ「N-BOX」などに採用いただいています。ただ、現時点でこの「全周99%UVカットガラス」の採用率は10%未満です。