三菱自動車工業（以下、三菱）のベトナム現地法人は、2025年6月に次世代ミッドサイズSUV「DSTコンセプト」の一般公開イベントを開催しました。

　7日・8日にはハノイ、21日・22日にはホーチミンでそれぞれ披露され、今回がベトナム市場での初お披露目となりました。

　DSTコンセプトは、2024年10月に開催されたフィリピン国際モーターショーにて世界初公開されたモデルで、アセアン諸国を中心とした新興市場向けに開発された7人乗り・3列シート構成のミッドサイズSUVです。

　力強いSUVらしさを前面に打ち出しつつ、全席で快適に座れるゆとりある室内空間を実現。

　市街地での運転のしやすさと、郊外へのドライブでの快適性を両立させたバランスの取れたパッケージが特徴です。

　外観デザインでは、三菱が掲げる「ダイナミックシールド」コンセプトを採用。六角形のインナーグリルを透明なアウターグリルで覆った立体感のあるフロントフェイスが、未来感と高級感を演出しています。

　また、ボディ側面にはリアピラーに水平のライン状造形を施すことで、精悍でシャープな印象を加味。視覚的なアクセントとしても効果的です。

　内装には、上質なソフト素材が随所に用いられ、実用性とモダンな質感を両立。特にファミリーユースを意識した設計がなされており、長距離移動でも快適に過ごせる工夫が見られます。

　運転席には、フルデジタルのドライバーディスプレイとセンターディスプレイを一体化した大型パネルを採用。視認性と操作性を高めながら、運転に必要な情報は大型のメーターでわかりやすく表示されるよう工夫されています。

　パワートレインの詳細は未発表ですが、「ノーマル」「ウェット」「ターマック」「グラベル」「マッド」の5つの走行モードを搭載。

　FWD（前輪駆動）ながら、多様な路面状況や天候にも対応可能で、アセアン地域特有の道路事情にもマッチする汎用性の高さが期待されています。

　市販モデルは2025年中に登場予定で、CセグメントSUV市場において競争力のある価格帯での展開が見込まれています。

　都市部での実用性を重視するファミリー層から、アウトドアを楽しむユーザー層まで、幅広いターゲットへの訴求が狙われています。

　公開されたDSTコンセプトに対し、SNSを中心に反響の声が高まっています。

「グローバルでも通用するデザイン」「堂々フォルムがカッコイイ」など、デザイン性の高さに好感を寄せるコメントが見られました。

　さらに、「ベトナムでの試金石」「市民の声を反映する開発手法」と言ったコンセプトモデルへの関心の高さをうかがえるコメントも見られるいっぽう、「（市販版を）日本でも売らないのかなあ」「アウトランダーとキャラが被るから来なさそう」など、国内導入の可能性についての声もありました。

　現地ユーザーからの評価は高く、今後の展開や市販モデルのローンチに向けたステップにも関心が集まっています。