2025年5月21日、トヨタ「RAV4」の新型モデル（6代目）が世界初公開され、2025年度中に日本で発売されることも明らかになりました。

　7年ぶりのフルモデルチェンジの注目ポイントはパワートレインで、純ガソリンエンジン搭載モデルが廃止され、HEV（ハイブリッド）とPHEV（プラグインハイブリッド）のみのラインナップになるようです。

　新型RAV4のサイズは、全長4600mm×全幅1855mm×全高1680mm-1685mm、ホイールベースは2690mmと、現行モデルの5代目とほぼ同サイズ。

　外観は、ヘッドライトに「プリウス」や「クラウン」でも装着されている「ハンマーヘッド」という“シュモクザメ”の顔のようなデザインを新たに採用したほか、「CORE」「ADVENTURE」「GRスポーツ」といったグレードによって形状の違うフロントバンパーを用意するなど、スタイル別にキャラクター分けされているのが大きな特徴です。

　インテリアは、最新のトヨタらしく「アイランドアーキテクチャー」と名付けられた、水平基調のパネルを水平線に見立てて点在する島のように配置するデザインを採用します。

　高級化が進む新型RAV4ですが、現在のRAV4オーナーはどのような点に注目しているのでしょうか。

　過去に2代目RAV4を所有し、現在は5代目RAV4に乗るAさん（50代男性）は、少し戸惑いを感じるのだそうです。

「最近のトヨタの新型車は高性能化に合わせて高級化も止まらないようです。

　そもそも初代RAV4のコンセプトは別のクルマのコンポーネンツを活用しながら、カジュアルに楽しむSUVでした。

　それがモデルチェンジするたびにサイズは拡大しSUV路線も本格的になり、昔とはずいぶん変わったなと感じます。

　新型のハンマーヘッドデザインは斬新に感じますが、この顔ばかりのラインナップになるのも微妙な気持ちです」

　RAV4の大型化・高級化は、ヤンチャだったクルマのキャラが大人っぽく成長したと解釈でき、Aさんも新型モデル自体はかなり完成度も高いだろうと推測するものの、RAV4のネーミングを引き継ぐことに若干の抵抗があるそうです。

　Aさんに限らず、新型RAV4で気になるのがパワートレインです。トヨタの発表によると、PHEVは出力を12％向上させたうえに、ユニットの高さも15％、重量も18％削減。それでいてバッテリー容量は現行のRAV4 PHEVモデルより30％向上させています。

　さらにHEVも「第6世代シリーズパラレルハイブリッドシステム」の搭載や、高効率の半導体の採用、バッテリー容量の増加などで、充電1回での走行距離も1.5倍以上に向上します。

「日産『エクストレイル』も『e-POWER』ですし、ホンダ『ヴェゼル』もメインはHEVですし、SUVも環境性能の競争が本格化している感じですね。

　ハイブリッドに関してはトヨタにアドバンテージがあると思っているので、新型RAV4ではきっとかなり洗練されているのでしょう」（RAV4オーナー Aさん）

　エクステリアやパワートレインのアップデートはもちろんですが、実は今回のRAV4でもう1つの目玉が、「SDV」となっていること。

　SDVとは、「Software-Defined Vehicle」のことで、ソフトウェアのアップデートで機能も向上させることができます。

　EVメーカーではお馴染みの機能で、プリウスもSDV機能を搭載していますが、新型RAV4ではコネクテッド機能をさらに進化させ、次世代型の車両開発基盤「Arene（アリーン）」が初搭載されます。

「クルマも数年で型落ちになるのはもったいないと思っていたので、ソフトウェアの更新でアップグレードできるのは朗報です。

　あとは、今後同じプラットフォームで登場するはずのハリアーと、どう差別化を図るのか興味があります」（RAV4オーナー Aさん）

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　より洗練された印象を受ける新型RAV4。数年乗っても新型と同程度の機能をソフトウェアでアップデートできるのは魅力的だと言えるでしょう。

　車両価格が高くなるぶん、性能面でのアップデート機能は、今後マストな装備になってくるのかもしれません。