公道を走るクルマは、車両の前後に「ナンバープレート」を装着しなくてはなりません。

　そして近年、ナンバープレートにアルファベットが使用されるものを見かけることが増えています。

　SNSなどでも、「最近よく見る」「なにかの単位かと思った」「うちのクルマがまさにアルファベッドナンバーだわ」など、話題にしている人も見受けられます。

　アルファベット入りのナンバープレートには、一体どのような理由があるのでしょうか。

　クルマのナンバープレートに記載される情報は、「地域名」「分類番号（3桁の数字）」「登録種別（ひらがな）」「指定番号（4桁の数字）」です。

　このうち、アルファベットが導入されたのは、ナンバープレート右上に位置する分類番号。クルマの用途や種類を識別するためのもので、通常は3桁の数字で構成され、例えば、3から始まるのは「自家用普通乗用車」、5から始まるのは「小型乗用車や軽四輪車」を意味しています。

　古いクルマでは分類番号が1桁や2桁のものもありますが、ナンバープレートは2度と同じものが使えないことから、クルマの増加とにより分類番号が枯渇。

　1998年に、現在の3桁へと変更されたのですが、最近、枯渇の問題が再び発生しました。

　加えて、「希望ナンバー制度」が導入され、ナンバー下4桁の指定番号に好きな番号を選ぶことができるようになりました。

　そして、語呂合わせや縁起のいい番号など“特定の番号”が選ばれることが多くなり、特に人気のある番号が早くに埋まってしまうことも、分類番号の枯渇に拍車をかける状況となっていました。

　これを解決するための対策が、「分類番号にアルファベットを加える」という方法で、2017年以降、アルファベットを含むナンバープレートの交付が始まっています。

　分類番号に使用されるアルファベットは「A」「C」「F」「H」「K」「L」「M」「P」「X」「Y」の10種類。数字と見間違えることのない文字が選ばれました。

　他のアルファベットは、例えば「O（オー）」は「0（ゼロ）」、「I（アイ）」は「1（いち）」と似ていて数字と見分けがつかないことから使用されません。

　アルファベットは分類番号の2桁目または3桁目に使用され、1桁目はクルマの用途や種類を示すため、引き続き数字が使用されます。

　アルファベットは「0A」から順次番号が振り分けられていき、将来的には「AA」から「YY」といった形になる予定です。

　ただし、軽自動車はルールが異なり、2桁目は数字ではなく「P・X・Y」のいずれかと指定されています。そのため「5PA」や「5XC」といった組み合わせが用いられます。

　そして、アルファベットが付与される条件は、希望ナンバーを選択した際に分類番号の3桁の数字が使い切られている場合となります。

　そのため、アルファベットが使われるかどうかはナンバープレートの交付状況によるほか、アルファベットを選ぶことはできません。

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　なお、分類番号ではなく、登録種別（ひらがな）がアルファベットとなることもあります。

　これは、駐留軍人用車両であることを示しており、日本国内で購入した個人所有のクルマの場合は「Y」、非課税車両の場合は「E／H／K／M」、本国から持ち込まれた個人所有のクルマの場合は「T」、自動二輪車または軽自動車の場合は「A／B」などが使われています。