2025年7月10日、スズキは新型「e VITARA（イー ビターラ）」の日本仕様に関する先行情報をティザーサイトで初公開しました。

　同社初の量産EV（電気自動車）となる新型コンパクトSUVに対し、SNSなどには早くも多くの声が集まっています。

　新型イー ビターラは、2023年にインドで開催された「Auto Expo 2023（オートエキスポ2023）」で世界初公開され、同年秋に東京で開催の「ジャパンモビリティショー2023」にも出展されたコンセプトモデル「eVX（イーブイエックス）」の量産版として、2024年11月にイタリア・ミラノで世界初披露されました。

　インドのスズキ法人、マルチスズキインディア社のクジャラート工場で生産され、2025年夏頃から欧州を皮切りにインドをはじめとする世界各国で展開し、日本でも2025年度中の発売を予定しています。

　なお“ビターラ”の車名は、スズキが1988年から30数年にわたって展開しているコンパクトSUV「エスクード」の海外名で、グローバルで長く親しまれてきたネーミングを継承します。

　新型イー ビターラの開発を担当したスズキの小野純生 チーフエンジニアは次のように話します。

「イー ビターラの開発では、品質と信頼性を最優先にしました。

　EVである前に、クルマとしての走る・曲がる・止まるの基本性能を徹底的に磨き上げ、先行して市場投入されている他社のEVを詳細にベンチマークしました。

　また、EVユーザーから寄せられる日常の不便さを解消するため、お客様の声に耳を傾けることを重視しました」

　新型イー ビターラのボディサイズは、全長4275mm×全幅1800mm×全高1640mm、ホイールベース2700mm。

　軽量化に加え、電池搭載にも配慮したEV専用の「HEARTECT-eプラットフォーム」を採用し、コンパクトながら広い室内空間も確保します。

　エクステリアデザインは、EVらしい洗練された未来的な雰囲気と、SUVらしい力強さを兼ね備えつつ、優れた空力性能を両立しています。

　インテリアは、統合ディスプレイシステム、フローティングセンターコンソール、アンビエントライティング、異形ステアリングホイールを採用し、モダンで機能的な空間を演出。

　ブラウンとブラックでコーディネートしたインテリアカラーがSUVの力強さと上質感を表現します。

　安全性を追求したリン酸鉄リチウムイオン電池パックと、高効率eAxle（イーアクセル）を採用し、発進時のきびきびした加速と低速から高速までのシャープな走りを実現します。

　パワートレインは3タイプで、うち2WDモデルはモーター出力106kW・バッテリー容量49kWh（航続距離400km、WLTCモード・計画値）と128kW・61kWh（同500km）の2タイプで、最大トルクは両モデルとも193Nmを発生させます。

　4WDモデルは、前後に独立した2つのeAxleを配置した電動4WDモーターで駆動する「ALLGRIP-e（オールグリップイー）」を採用した電動四輪駆動システムを採用。

　システム合計出力135kW、最大トルク307Nm、バッテリー容量61kWh（航続距離450km以上）の高性能版で、0-100km／h加速は7.4秒をマークします。

　寒冷地での性能確保のため、ヒートポンプシステム、バッテリーウォーマー、ステアリング・シートヒーターを搭載し、外気温0度での航続距離の悪化をノーマルモードで約15％、エコモードで約10％に抑制しています。

　なお充電時間は61kWhモデルで普通充電約10.5時間、急速充電約45分です。

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　日本でも発売を予定する新型コンパクトSUVに対し、SNSなどには早くもさまざまな反響が寄せられています。

　多かったのは「欧州車かと思った」「高級感あるじゃん」「コンセプトカーのまんま出てきたね」など、スタイリングの良さに感心する声でした。

　また「イイ意味でEVっぽくない」「EV感を主張してないのが良い」「肩肘張ってない感じでイイね」など、スズキ初のEVという重要な世界戦略モデルながら、そうした気負いを感じさせない自然なまとまりであるとの評価が大勢を占めていることがわかります。

　いっぽうで「エスクードってどうなった？」「ハイブリッド版とかは出ないのかな」など、2024年に国内の販売を終えたエスクードの次期モデルを期待する意見や、「ジムニーのEV版が出るって噂なかったっけ」など、他モデルへの展開に言及する声も見られました。

　2025年7月現在、新型イー ビターラの価格などに関する情報は公開されていません。

　SNSでも「いくらになるんだろう」とのコメントも多く、スズキが得意とする価格戦略についても大いに期待して待ちたいところです。