スズキの新型「小さなSUV」現る! 「SUV版スイフトスポーツ!?」 キビキビ走る×熱に強い「e-ビターラ」印象は?【試乗記】
2025年7月10日にスズキは新型「eビターラ」の先行サイトを公開しました。それに先駆けて試乗した様子を紹介します。
これはもう「BEVでSUVのスイフトスポーツ」
「今年度中に日本へ導入」として、公式サイトで一部の情報が公開されたスズキの新型「eビターラ」。
そんな注目モデルにさっそく試乗してきました。

試乗の舞台はサーキット。
またナンバーの取得できない状態なのでサーキットでの試乗自体はよくあることですが、驚いたのは、スズキ側が熱に対する“守り”に入っていなかったことです。
メディア向け試乗会で時々ある「5周走ったらいったんピットへ戻ってきて」といったような制約がなく、30分の走行時間が与えられたのです。
外気温30度を軽く超える炎天下のサーキットでBEV(バッテリー式電気自動車)なのに、ですよ。
「だからなに?」と思うかもしれませんが、端的に言ってBEVは熱を得意としません。
炎天下とはいえ通常走行では問題がでるような市販BEVはさすがにありませんが、サーキットを走らせると話は別。
クルマの動力系にも一般道とは違う次元で負荷がかかり、なかにはバッテリーの温度が上がってしまい安全のために出力制限がおこなわれるクルマも存在します。
しかし、スズキは「しっかり走ってみてくださいね」と、炎天下のサーキットで30分の走行へと送り出した。
「ストレートは(上限速度)120km/hまで」という制約はあったものの、この炎天下(大切なのでもう一度!)でBEVなのに30分間連続でサーキットを走ることを許可するなんて。
何が言いたいかというと「スズキは同社初のBEVを開発するにあたって熱対策をしっかりやってきた」ということ。
炎天下でサーキットを連続走行しても、バッテリーをはじめとするパワートレインが音を上げない自信があるというわけです。
ちなみにeビターラは海外で生産されて日本へ導入されるモデルが、生産拠点はインド。
もちろんインド国内にも投入されるわけですが、インドは暑いので熱対策も万全にやっているということなのでしょう。
もちろんバッテリー温度が高い際は、充電時にバッテリーを冷却する機能も組み込まれています。
反対に寒さにも強いとは言えないのもBEVの特性(寒いとバッテリーの能力が落ちてしまうから)。
そこで寒冷時にはバッテリーの出力確保のために走行前にバッテリーを温める機能や、充電時間を短くするために充電中にバッテリーを温める機能も搭載されています。頼もしいですね。
ちなみに走行用バッテリーは、国内向けの日本車では珍しいリン酸鉄バッテリー。
リン酸鉄バッテリーは国産車では一般的なリチウムイオンバッテリーに比べるとエネルギー密度が低いものの、安全性が高く、またコストも抑えられるというメリットがあります。
そんなバッテリーの選択もスズキらしいと感じられるのは筆者だけでしょうか。













































































