スズキ新型「コンパクトSUV」初公開! 全長4.3mで“日本にちょうどいい”サイズ採用! スズキ初の「四角いハンドル」も搭載した“めちゃ斬新モデル”新型「eビターラ」に期待大!
2025年7月9日、スズキは新型SUV「eビターラ」の日本仕様車を初公開しました。一体どのようなモデルなのでしょうか。
全長4.3m! スズキ新型「コンパクトSUV」初公開!
かつて2023年秋に開催の「ジャパンモビリティショー」でスズキブースに展示された、「eVX」という参考出品車両を覚えている人もいるでしょう。
スズキが2025年7月9日に日本国内で初公開した日本仕様の新型「eビターラ」は、まさにその市販バージョン。
eVXはその時から「EV世界戦略車第一弾」として市販化が明言されていましたが、ついに市販モデルが姿を現したというわけです。

そもそも「ビターラ」とは何なのでしょうか。ビターラとは何を隠そう「エスクード」の海外向け名称です。
欧州やインドでは世界戦略車であるエスクードがビターラという名称で販売されていて、つまりe ビターラはエスクードのEVモデルということになるのです。
車体サイズは公表されており、全長4275mm×全幅1800mm×全高1640mm。すなわち欧州コンパクトカーサイズといえるもので、ルーフを低めにおさえたクロスオーバーSUVです。
駆動方式は2WDと4WDが用意され、2WDモデルはバッテリーサイズが選択でき、49kWhと61kWの2タイプから選べます。また4WDは大型バッテリーだけの組み合わせとなります。
気になる航続距離は「49kWhバッテリータイプで400km以上、61kWhバッテリーの2WDモデルで500km以上(WLTCモード)」とスズキは説明します。
そんなeビターラには注目すべきポイントがいくつかありますが、まずはスズキ初の量産型BEV(バッテリー式電気自動車)ということが挙げられるでしょう。
車体はEV専用に開発された「ハーテクトe」と呼ぶボディ構造で、軽量かつ前後オーバーハングが短いのがまず一つの特徴。
フロアは床下にバッテリーを収めることを前提とした構造になっており、バッテリーパックを側面衝突時のエネルギー吸収に活用するほか、その下面をフラットに近づけることで空力向上に利用するなど、様々なアイデアが盛り込まれています。
モーターは2WDモデルではフロントに搭載し、4WDモデルは前後それぞれに1個づつ搭載。スズキとしては初めての電気式4WDということも注目すべきトピックでしょう。
ちなみにモーター出力は、49kWhバッテリーの2WDモデルの場合はフロントに106kWモーターを搭載。また61kWhバッテリーモデルはフロントに128kWhモーターで、4WDモデルは加えてリヤに48kWhモーターを追加します。
すなわち、4WDであっても「前後出力50:50」だったり「リヤ出力重視型」ということはなく、あくまでFF車ベースの4WDに近い駆動力配分となっているというわけです。
そんなeビターラですが、インテリアでもシレッと“スズキ初”がたくさん盛り込まれているのが面白いところ。
たとえばステアリングホイールは、スズキ初の異形タイプ。厳密にいえば「スイフトスポーツ」などにも下部をややフラットにしたステアリングホイールが採用されていますが、それでも“さり気ない異形”でした。
一方、eビターラのステアリングホイールは見るからに楕円。もはや“四角”に近いくらいです。
開発者はそのメリットとして「角がついているので切っている量が分りやすい、持ちやすい、メーターの視認性が良い、そして乗り降りの邪魔をしない」と説明します。
また運転席まわりでは、電子制御式シフトセレクターの採用もスズキ生産車としては初めてのこと。EV化への橋渡しとして、新しい方向性を探っていることが見えてきます。
運転席以外では、上級グレードへの「インフィニティ」オーディオの採用や、リヤシートの40:20:40分割格納がスズキとしては珍しいところ。
そのあたりからeビターラは単なる廉価モデルではなく、それなりに装備を充実させて上位ブランドと戦うことまで視野に入っていることがうかがえます。
このeビターラはインドのグシャラート工場で生産され、インド国内や日本のほか欧州などへも輸出。スズキ次世代を担う最初のモデルといっていいでしょう。
そして注目はやはり車両価格です。
現時点ではまだ明らかになっていませんが、スズキという会社の立ち位置を考えると「生活に根差したものをできるだけリーズナブルに」という同社の商品づくりが、EVにおいてどう反映されるかが楽しみなところ。
日本国内では「BYDと競争できる価格」だと面白い展開になりそうですが、果たしてどうでしょうか。
発売は「2025年夏頃から世界各地で順次」となっており、引き続き注目に集まるモデルです。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。











































































