AE86、R32スカイラインGT-R、80系ランクル…人気車なぜ型式で呼ばれる?
名車や人気車の中には車名ではなく、車両型式と言われる記号や数字で呼ばれる車種があります。なぜ車名ではなく型式で呼ばれるのでしょうか?
車両型式とはそもそも何?
名車や人気車の中には車名ではなく、車両型式と言われる記号や数字で呼ばれる車種があります。みなさんが知るところですと「R32」のスカイラインGT-Rや「AE86」のレビン/トレノなどでしょうか。なぜ車名ではなく型式で呼ばれるのでしょうか?
自動車の車両型式には、以下のような意味があります。例えば、現在新車で販売されている日産GT-Rの車両型式は以下となります。
「DBA - R35」
このうち、DBAは、自動車排出ガス規制の識別記号で国交省が決める記号です。
・1桁目(排出ガス規制年 低排出ガス認定)Dは平成17年規制75%低減
・2桁目(燃料の種類 ハイブリッドの有無) Bはガソリン・LPGでハイブリッド無しの意味
・3桁目(用途 重量条件等)Aは平成17年規制のディーゼル車以外の意味
そして、後半の「R35」が、いわゆる私たちが型式と呼んでいる車固有の記号&番号になります。
ちなみに、テスラ モデルS 、日産 リーフ、VW eゴルフ、BMW i3,三菱 アイ・ミーブは、すべて車両型式の最初の英文字3つが共通して「ZAA」となっています。もうお分かりかと思いますが、これらの車の共通点は「電気自動車」(EV)であるということです。ZAAの「Z」は、「排出ガス規制の適用を受けない自動車の識別記号」で、2つめのAは「電気」、3つ目のAは「乗用車」を意味しています。
人気車種はなぜ型式、特に数字で呼ばれる?
型式で呼ばれる車種と言えば、思い浮かぶのは「AE86」(頭文字Dの藤原とうふ店仕様でおなじみ。1983年発売のトヨタ・スプリンター・トレノとその姉妹車のカローラ・レビン)や、「R32/R33/R34」スカイライン、ランドクルーザー「60/80/100/200」、「NA/NB/NC/ND」ロードスター、「70/80」スープラ…などなど。
こうして見てみると、型式が愛称のようになって呼ばれる車種に共通することは、「車好きが好むスポーツ志向の人気車種」であること。そして、何代かに渡って世に送り出されている車であることなどが共通点と言えそうです。
「日産スカイラインに乗っています」「スカイラインGT-Rを買おうと思っています」などといってもそれだけでは、1957年に登場した初代から60年以上経過した現在販売中のモデルまで、どの世代のことなのかはわかりません。
スカイラインGT-Rも複数世代存在します。型式名を付けて「R32スカイラインGT-R」と言えば、8代目(1989年~1993年)だということがわかります。スカイラインのオーナーやファンであれば、型式名だけで世代がわかるでしょう。
型式で呼ぶことは愛称としても、また世代別のモデルを区別しやすいメリットもあるというわけです。