横浜ゴムのスーパーフォーミュラ専用タイヤはハイパフォーマンスで環境にも配慮!? ワンメイクタイヤの秘密をレース関係者がそれぞれの視点で語った!【PR】
2013年から日本で開催されているレース「スーパーフォーミュラ」(SF)は、年を重ねるごとにその目的も楽しみ方も進化しており、日本という枠からも飛び出しそうな勢いを見せています。そのスーパーフォーミュラで使われるタイヤは2016年から横浜ゴムが供給していますが、今回はそのワンメイクタイヤについて深掘りしていきたいと思います。
SFで使われるワンメイクタイヤ その知られざる技術に迫る
日本国内で生まれ、開催が続いているフォーミュラカーのレース、それが「SUPER FORMULA(スーパーフォーミュラ)」です。スーパーフォーミュラは日本国内のサーキットを回りながら年間12戦が実施されるシリーズ戦で、2025年3月8日に鈴鹿サーキットでおこなわれた開幕戦から新シーズンも始まりました。

フォーミュラカーとは、「スーパーGT」のように市販車ベースもしくは市販車をイメージした箱型ボディではなく、タイヤがむき出しになったタイプのレーシングカーのこと。その世界最高峰といえば誰もが知るF1ですが、今回注目するスーパーフォーミュラは、日本国内のシリーズ戦でありながらサーキットのラップタイムでは「FIA F2シリーズ」やアメリカの「インディカー」よりも速いとされています。
スーパーフォーミュラの車体はダラーラ社製のワンメイクで、エンジンはトヨタとホンダが供給する、レース専用に開発された550馬力以上を発生する排気量2リッターターボエンジン(基本設計はスーパーGTと同じもの)を搭載。車両重量はドライバー搭乗時で677kg以上。タイヤとショックアブソーバーはそれぞれ1社からの供給として、イコールコンディションに整えています。
SFで使われるワンメイクタイヤはすべて横浜ゴムの「ADVAN(アドバン)」

そんなスーパーフォーミュラの全車両に専用のタイヤを供給しているのが、ヨコハマ(横浜ゴム)です。ADVAN(アドバン)というスポーツタイヤのブランドでもおなじみの同社は、スーパーフォーミュラにおいては2016年からワンメイク供給をおこない、2025年で10年目を迎えています。
しかし「世界でもトップクラスの速さを誇るレースで使われているタイヤ」といっても、あまりピンとこないかもしれません。基礎知識にまつわるトリビアをお届けした前回の記事に続き、今回は「ハイスピードを支える、路面との唯一の接点」、「1種類のコンパウンドで晴天時のすべてのレースを戦う」、そして「約46%は再生可能・リサイクル原料」という“3つのキーワード”から、スーパーフォーミュラ用タイヤのすごさに迫ってみましょう。
高星明誠選手が語る「世界最高峰の速さを支える性能」のすごさ

「スーパーフォーミュラは一般のクルマとは走る速度が全く違いますよね。直線では300km/hぐらいの車速が出ますし、コーナリングだって200km/h前後のスピードで曲がっていくこともある」
スーパーフォーミュラに供給されるタイヤの開発ドライバーも務め、2025年シーズンは20号車「ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL」でドライブする高星明誠選手は、スーパーフォーミュラのマシンが走る世界をそう説明します。

「マシンはそんな車速に対して強力なダウンフォース(空気の流れを使ってクルマを地面に押し付ける力)を得ているわけですが、タイヤは路面との唯一の接点としてそのダウンフォースを受け止めつつ、壊れることなく、しっかりグリップを維持できる性能を持っている。まずはそれがスーパーフォーミュラ用タイヤのすごさです」(高星選手)
市販タイヤはいろんな環境で幅広いユーザーに使われることを前提に、あらゆる環境や天候において安全性や快適性、さらには経済性を考慮して作られます。しかしレーシングタイヤは「限られた条件下での速さ」を追求。その状況でとても大きな負担に耐えられるようギリギリに作られていることが、すごさのひとつです。

“限界領域での操縦性”と“高い摩擦力”を優先して作られているスーパーフォーミュラ用のタイヤは、長期使用における性能の持続をはじめ、乗り心地や快適性など一般車両用のタイヤに求められるいくつかの性能は犠牲にしつつ、速さを競うレースという特定の領域で最高の性能を発揮するタイヤといえます。
「レーシングタイヤはドライバーが速く走ろうとしているときに高いパフォーマンスを出すような設計がされています。コンパウンド(ゴムの材質)の特性が市販車とは違い、タイヤの温度が上がった時にとびきりのパフォーマンスを出せるかわりに、温度が上がらないとグリップを稼げない。
その差が大きいのがスーパーフォーミュラ用のタイヤです。オールマイティーな特性の市販車用タイヤとは、そこが全く違いますね」(高星選手)