魔改造「マーチ」どう使う? 超低床トラック実現のワケ 「人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」 ジヤトコ/日野自動車

荷室に椅子とエアコンが!? 日野「デュトロ」の快適空間とは

 商用車メーカーとして知られる日野自動車は、物流における効率化やカーボンニュートラル、安全性の向上などをテーマに先進技術を紹介。なかでも注目を集めていたのが、BEVトラックである「デュトロZ EV」をベースとした「モバイルオフィス」仕様車でした。

 リアの荷室部分が超低床となっており、楽に乗り降りができます。まさに、ウォークスルー構造を生かした形です。

日野自動車が展示していた、モバイルオフィス仕様車の「デュトロZ EV」
日野自動車が展示していた、モバイルオフィス仕様車の「デュトロZ EV」

 荷室部分にはテーブルと大型のワークチェア、モニター、さらにエアコンが備わり、そこで快適に仕事や打ち合わせができるというもの。BEVなので、ここに備わる電化製品はすべて、車両の電力から賄えます。

 ベースの「デュトロZ EV」は、フロントキャビンこそ通常の「デュトロ」と同じスタイルですが、駆動系はフロント部分に集約したFFレイアウトとなっています。パワートレインは、駆動用バッテリーを車両中央部に搭載するミッドシップを採用し、これはキャビン後方に位置。これこそが、低床化が可能になった理由です。

BEVならではの強みとは 災害時に真価を発揮!

 すでに宅配業者などのラストワンマイルを担う存在として広く活用されている「デュトロZ EV」ですが、今回の展示ではモバイルオフィスとしての活用だけでなく、有事の際の移動式指揮車としての活用もアピールされていました。専用機器(別売り)により、家庭用100V電源として外部へ電力を供給できる点も、災害時には重宝するでしょう。

リアの荷室部分には、テーブルと大型のワークチェア、モニター、エアコンが備わる
リアの荷室部分には、テーブルと大型のワークチェア、モニター、エアコンが備わる

 いわゆる「箱車」のような見た目ですが、普通免許で運転できるという点も、特に有事の際には心強いポイントです。

 最近ではBEV主体というよりも、BEVとICE(内燃機関)それぞれの長所を生かせる分野を見極め、適材適所で導入していく考え方にシフトしつつありますが、「モバイルオフィス」仕様の開発は、BEVならではといえるでしょう。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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