「バス発進を阻むと違反!?」 ウインカーを見たら安全に減速を… 反則金6000円!? 知らなきゃ損する譲る「義務の真実」
路線バスが停留所から発進する際、後続車は進路を譲る義務があります。妨げると違反で罰金6000円、点数1点が課される場合も。ただし、危険な状況では譲る必要はありません。複数車線や混雑時の判断が重要です。JAF調査では4割のドライバーがルールを知らず、理解が安全運転につながります。
バス発進時に求められる「譲る義務」とは
停留所から発進しようとするバスの右ウインカーを見たとき、進路を譲るべきかそのまま走って良いのかと迷った経験を持つドライバーは少なくありません。
それでは、どのような対応を取るべきなのでしょうか。

道路交通法第31条の2では、営業運行中の路線バスが発進の合図を出したとき、後続車両などはその進行を妨げてはならないと定めています。
進路を譲らずバスの合流を阻害すると「乗合自動車発進妨害違反」となり、普通車の場合は違反点数1点、反則金は6000円です。
違反となるのは、安全に減速または車線変更をおこなう余裕があったのにバスの前方を塞いだ場合です。
そのため、前方を走行しているバスが右ウインカーを出したのを確認したら、ミラーで後続車を確かめ、速度を落としてバスが入り込むスペースを空けることが基本行動とされています。
一方で、前方にウインカーを出しているバスを確認した場合、一概に減速して合流を待てばいいというわけではありません。
これについて交通相談コーナーの担当者は次のように話します。
「バスの合流の邪魔になったとしても、進行妨害と見なされない場合もあります。
例えば、急な方向転換、急減速などをせざるを得ない場合や、緊急自動車に道を譲るためにバスの進行を妨げざるを得ない場合には除外されることがあります」
このようなケースではバス側も無理な発進を控える義務を負うため、直ちに違反とはみなされにくくなります。
交通が混雑していて急減速すると後方から追突される恐れがある場合や、対向車線の流れが速く狭い道路で避け場が無いといった状況では、急な進路変更がかえって危険を招く場合があります。
特に1車線の道路を走行する際には周囲の状況をよく確認して適切な判断をする必要があります。
それでは、複数の車線で走行している場合はどのようにバス合流に対応したら良いのでしょうか。前出の担当者は次のように話します。
「3車線以上の幹線道路などでバスが本線外に停止している場合、後続車が必ず進路を譲る必要はありません。
また、2車線以上の道路であれば、右車線に車線変更するなどして、バスの進行を妨げなければ問題なく走行できます」
複数車線の場合は安全に車線変更をすることが求められますが、それでも後続車が十分に減速して状況を見守る姿勢が求められる点は変わりません。
バスの進行を妨げず、安全に車線変更を行うことです。状況に応じて、冷静に判断して行動することが大切です。
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そして、このような乗合バス優先ルールは周知が進んでおらず、JAFの調査では約4割のドライバーが内容を正確に把握していない結果があります。
日頃の運転で各ドライバーがこのようなルールを知っておくことで、道路全体の流れもよりスムーズになるでしょう。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。












