高速道路の合流“先端”で入る「ファスナー合流」 正しいのに「ズルいでしょ!」不快感を覚える声も!? いまだ定着しない「渋滞時の新しい“常識”」今後は浸透が課題か

高速道路の渋滞ポイントである「合流」をスムーズに行う、「ファスナー合流」という方法があります。しかし、SNSなどでは賛否が別れているようです。

「公式推奨」の新たな常識 まだ定着せず

 高速道路の渋滞ポイントは、主にICやJCT、SA・PAの出口といった「合流部」です。
 
 この合流でスムーズに流入するのが、「ファスナー合流」です。NEXCOなども推奨する方法ですが、SNSなどには賛否が別れているようです。

「ファスナー合流」とは(画像はイメージです/PIXTA)
「ファスナー合流」とは(画像はイメージです/PIXTA)

 ファスナー合流(ジッパー合流とも)は、洋服のファスナーの合わせ目のように、「合流したいクルマが合流分の先端まで行き、本線へ1台ずつ入っていく」方法です。NEXCOをはじめ、高速道路各社も「正しい方法」として推奨しています。

「合流分の先端」まで行くのが肝で、「加速車線をほぼ使い切る」ことが有効なのです。

 加速車線(合流車線)は本線のクルマの流れに追いつくためにありますが、人よってはその使い方はまちまちで、本線の流れに追いついた段階で即座に合流する人もいれば、ギリギリまで使い切って合流する人もいます。

 この状態が、結果として本線のあちこちで合流が生まれることになり、本線車両の減速が多発し、渋滞をまねくのです。

 いっぽう、このファスナー合流では、合流部が加速車線の終点のみになるため、停滞する場所はこの一箇所だけになります。

 しかも、合流するクルマ、本線のクルマ双方にとっては「合流する(合流させる)しか選択肢がない状態」になるので、本線に入りやすいという側面もあります。

 このファスナー合流の有効性は、NEXCO中日本 名古屋支社が名神高速で実験を行って検証し、2019年11月にはその有効性が公表されました。

 実験は渋滞が日常的に起こる合流ポイントで実施。加速車線が終わる直前まで、合流できないようにラバーポールを設置。要するに、半ば強制的に「最後まで加速車線を使い切らせる」方式にしました。

 すると、交通量は横ばいであったにも関わらず、渋滞による損失時間が約3割も減少。以後、NEXCO各社や名古屋高速などでも積極的に行うように推奨されているほか、改良工事では加速車線をフルに使うような案内標示の工事が施工されるなど、徐々に広がりをみせています。

 しかし、SNSなどには「合流の先端まで行く人、ずるくない?」「合流するクルマの列を抜かして先頭にいく人。何なんだ」「混んで止まってるのに先端に行くのはダメでしょ」など、正しいファスナー合流を知らないという人も多くいるようです。

 実践している人からも「自分はやってるけど、ほかが知らないなら無意味」「合流は先端で!って看板立てて欲しい」など、周囲の理解不足を指摘する声も寄せられています。

 公式でしっかりと「推奨」とされる行為ですが、今後「ドライバーの常識」としていかに定着させるかが課題といえます。

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