自動車税の”恐怖の手紙”来た? 支払い忘れると「車検不可」「差し押さえ」も!? 未納時の「正しい対処法」とは
延滞金はいくら? それでも支払いをしないと…どうなる?
自動車税・軽自動車税は基本的に分割払いが認められておらず、期限までに一括で納付する必要があります。では、定められた納付期限までに支払わなかった場合はどうなるのでしょうか。段階的に以下のような措置が取られます。

まず、納期限の翌日から「延滞金」が発生します。延滞金の利率は期間によって異なり、最初の1か月間は年利2.4%(令和6年・7年時点)ですが、それを超えると年利8.7%(同)と大幅に上昇します。
ただし、計算された延滞金額が1000円未満の場合は切り捨てられ、実際には請求されません。軽自動車税のように税額が低い場合や、あるいはごく短期間の滞納であれば、延滞金が発生しないケースもありますが、滞納期間が長引けば確実に加算されていきます。
次に、納期限から通常20日程度経過すると、都道府県税事務所(普通車)や市区町村役場(軽自動車)から「督促状」が郵送されます。これは法的な支払い要求であり、督促状に記載された新たな納付期限までに支払う必要があります。
自動車税・軽自動車税の未納による最大の問題の一つが、「車検(継続検査)が受けられない」ことです。車検を通すには、その年度分の税金が納付済みであることが必須条件です。以前は紙の「納税証明書」の提示が求められましたが、現在は多くの場合、運輸支局や軽自動車検査協会がシステム上で納税情報を電子的に確認できるようになっています(軽JNKSなど)。
ただし、納税からシステム反映までには数日から10日程度のタイムラグがあるため、車検直前に納税した場合は、システム確認が間に合わず、領収証書など紙の証明書が必要になることがあります。未納の場合は当然システムでも確認できず、証明書も提示できないため、車検に通すことができません。車検切れの車両は公道を走行できず、無車検運行は免許停止や懲役、罰金といった重い罰則の対象となります。
督促状が届いてもなお納税せずに滞納を続けた場合、最終的には財産の「差し押さえ」という強制措置が取られます。これは地方税法に基づく手続きであり、滞納者の意思に関わらず、給与(一定額以上)や預貯金、さらには自動車本体や不動産などの財産が差し押さえられ、公売にかけられるなどして未納税金や延滞金に充当されます。
また、2年以上滞納すると、運輸支局などへの「嘱託保存」により、税金を完納するまで名義変更や廃車手続きができなくなるケースもあります。
では、うっかり納期限を過ぎてしまった場合や、どうしても支払いが困難な場合はどうすればよいのでしょうか。
まず、納期限が過ぎていても、手元に有効期限内の払込票があれば、銀行、郵便局の窓口やQRコード決済などで支払える可能性(コンビニ払いは使用不可になるので注意)があります。すぐに手続きを行いましょう。
払込票を紛失した場合や、使用できなくなってしまった場合でも、絶対に放置せず、普通車であれば都道府県税事務所、軽自動車であれば市区町村役場の担当窓口に連絡し、納付書の再発行などを相談してください。
また、病気や失業、災害などやむを得ない事情がある場合は、申請により納税の猶予や分割納付が認められる制度もあります。督促状が届いた段階であっても諦めず、できるだけ早く税事務所などの担当窓口に相談することが重要です。
納税通知書が届いたら、まず期限を確認し、必ず期限内に納付しましょう。もし支払いが難しい場合も放置せず、早めに相談することがトラブルを防ぐ第一歩です。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。














































