トヨタ「ハイエース」20年の超ロングセラーでもナゼ人気が衰えない? 買ったら絶対損しない!? “ワンボックスカーの王者”一体何が魅力なのか?

現行モデルが2024年に20周年を迎えた、超ロングセラーのトヨタハイエース。幅広い層から高い支持を集めていますが、なぜここまで人気なのでしょうか。

20年以上経過したクルマがスゴい人気! なぜ?

 2024年で20周年を迎えた5代目「ハイエース(通称:200系)」。1967年に初代モデルがデビューし、2004年に登場した現行モデルも、20年以上販売され続けている超ロングセラーとなっています。

「ワンボックスカーの絶対王者」と呼んでも過言でないハイエースは、時代のニーズに合わせて進化を続けてきたことから、根強い人気を集めています。

登場から20年を記念した「ハイエース スーパーGL “DARK PRIME S」(特別仕様車)
登場から20年を記念した「ハイエース スーパーGL “DARK PRIME S」(特別仕様車)

 一括りにハイエースと呼んでいますが、厳密には、リアシートが折り畳み可能な5人乗り・6人乗り・9人乗りが設定されている「ハイエースバン」、10人乗り仕様の「ハイエースワゴン」、14人乗りのマイクロバス型「ハイエースコミューター」の3種類をまとめた車名です。

 一般的にイメージするハイエースは、ハイエースバンを指すことが多いでしょう。

 ハイエースには車体幅の違う「標準ボディ(別名:ナローボディ)」と「ワイドボディ」、全長が異なる「ロング」と「スーパーロング」、ルーフの高さも「標準ルーフ」「ミドルルーフ」「ハイルーフ」の3種類がありますが、すべて自由に組み合わせられるわけではないので、実際はそこまで複雑ではありません。

 なお、乗車定員やサイズによって取得するナンバーも違い、3ナンバー(乗用車登録)や1ナンバー・4ナンバー(貨物車登録)もあるため、全体を把握しにくいのも「ハイエースあるある」と言えます。

 そんなハイエースですが、人気の理由は何なのでしょうか。都内の中古車販売店のD店長に聞いてみました。

「堅牢な作りで、基本設計が単純で修理しやすく、アフターパーツが豊富などの理由もありますが、実は『ハイエースというブランド』が確立されているのが一番の理由でしょう。

 市場でのニーズが高いため、数年乗っても高いリセールバリューが期待できて損することはありませんし、長いモデルサイクルという安心感もリセールバリューの安定に繋がっています。

 つまり、クルマの価値が落ちにくいのが最大の魅力というわけです」

 また、もともとは貨物運搬用の商用車ですからミニバンを超える広い車内空間も魅力のひとつ。さらにシンプルな構造でカスタムの振り幅が広く、長いモデルサイクルで高人気車ゆえに専用の社外品パーツが非常に豊富という好循環サイクルが続くため、長年にわたって愛され続けてきたというのが、ハイエース最大の魅力となっているようです。

 さらに、ハイエースは乗用目的ながら「4ナンバー(貨物)登録」できるのも人気の理由と考えられています。

 商用車に義務付けられる毎年車検は若干面倒ですが、トータルの維持費が安く済ませられるのですから、ミニバンやキャンパー希望の人にとっては最有力選択肢になるのも納得です。

「足回りは、フロントがトーションバースプリング、リアはルーフスプリングというトラックにも採用される形式を採用しているのですが、高い荷重に耐えられるシンプルな構造のお陰で専用キットもシンプルな構造で組み込みやすく、ローダウンもハイリフトもしやすいのです」(中古車販売店 D店長)

 しかも昨今のアウトドアブームによって、オートキャンプ人口も増えており、新車のみならず、カスタムした中古車も大人気。ハイブリッド車の設定こそありませんが、5代目ハイエースの人気はまだまだ続きそうです。

※ ※ ※

 シンプルな「バン」ゆえに、自分のライフスタイルや予算に合わせて自由にアレンジできる懐の深さを持つハイエース。

 スポーティさを求める車種ではありませんが、仕事や遊びまでさまざまな用途で使えるところが魅力となっているようです。

【画像】超カッコいい! これが20年売れ続ける「ハイエース」です!(30枚以上)

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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