ドゥカティ、西海岸のテイストを纏ったオシャレな1台「MACH 2.0」登場
ドゥカティは、カリフォルニアで展開している有名カスタムビルダーとコラボレーションしたスクランブラーを登場させました。ジャーナリストの伊丹孝裕さんに「MACH 2.0」の呼び方から試乗まで徹底分析をお願いしました。
パーツ&アパレルメーカーとタッグを組んだ新モデル
ドゥカティが2015年から展開している新ブランドがスクランブラーです。すでにさまざまなモデルがラインナップされていますが、そこにアメリカの有名カスタムビルダー、ローランド・サンズとコラボレーションしたニューモデル「MACH 2.0」が登場。オシャレなカラーリングとスポーティなパーツに注目が集まっています。
そもそもスクランブラーとは、バイクにおけるカテゴリーのひとつです。オンロードバイクにアップタイプのハンドルとマフラー、そしてダートも走れるブロックタイヤを装着した万能モデルのことをそう呼んでいました。
50年代から60年代にかけて登場し、オンとオフのイイトコ取りをしたスクランブラーは、今で言うデュアルパーパスモデルやアドベンチャーモデルの先駆けと言ってもいいでしょう。
そんな中、ドゥカティはそのものスバリ、スクランブラーと名づけたモデルを送り出しました。最も有名なのが1962年に登場した「250スクランブラー」で、それが現在のシリーズの元ネタになったのです。
とはいえ、いわゆるネオクラシックとは少し意味合いが違うとのこと。そのあたりをドゥカティジャパンのPR&マーケティングディレクター、五条秀巳さんが教えてくれました。
「私どもはスクランブラーのことを“ポスト・ヘリテイジ”と呼んでいます。単にレトロなスタイルを追求するのではなく、“もしもずっと生産されていたらこうなったのではないか?”ということをテーマにしているのです。つまり、よりポジティブで自由な発想のもと、新しくデザインされたモデルが現代のスクランブラーなのです」とのこと。
そんなスクランブラーは現在11種類のモデルをラインアップ。MACH 2.0はその中の1台ですが、これはなんと読むのが正解なのでしょう?
「“マック・ツー”と発音するとアメリカ人的でちょっとツウかもしれませんが(笑)、日本では“マッハ・ニーテンゼロ”がごく一般的だと思います。60年代の伝説的なモデルMACH 1(マッハワン)をモチーフとし、それをスクランブラーのスタイルに落とし込んだモデルがこれです。末尾の数字はオリジナルの“1”に対してアップデートされたことを意味しています」と五条さん。
ちなみにMACH 1は1964年に登場したモデルで、250ccの単気筒エンジンを搭載。レーシングマシンにヘッドライトやウインカーをくっつけただけ、と言っても過言ではないハイスペックマシンとして知られ、最高速は170km/hを超えていたとか。
というわけでMACH 2.0もスポーツ性が重視されています。スクランブラーにはICON(アイコン)というスタンダードモデルがありますが、それに対してMACH 2.0のハンドルは低い位置に取り付けられ、左右の幅も少し狭め。一見、1人乗りに見えるシートやヘッドライト上に備えられた空力パーツなど、よりシャープに仕上げられているのが特徴です。
しかもそれだけではありません。アメリカ西海岸をイメージした印象的なこのカラーリングは、カスタムビルダーのローランド・サンズが担当したことで話題を呼んでいます。
ローランド・サンズはカリフォルニアを拠点にしながら世界的に活躍するデザイナーでもあり、パーツやアパレルを通して新しいバイクライフを提案。MACH 2.0にも他のスクランブラーにはない魅力が注がれていることが分かります。
「ひと口にバイクのカスタムと言っても楽しみ方はいろいろです。みずからパーツを作ったり、塗装にチャレンジする人もいれば、ビルダーやショップがプロデュースしたコンプリートモデルを求める人もいます。MACH 2.0の場合はその後者に当たり、“あのローランド・サンズが手掛けたモデル”という付加価値はファンにとってたまらないものがあるはずです。そこにスピードの象徴でもあるMACH 1のイメージも加わるわけですから熱狂的に支持してくださるユーザーがいらっしゃいます」(五条さん)