「ひどすぎ…」「どうにかならないの?」 なぜクルマが放置されたまま? 強制撤去出来ない? 全国各地にある「放置車両」問題

SNSなどでの度々話題となる放置車両。空港駐車場や商業施設駐車場などで放置されているのを見かけますが、実は簡単に撤去できない事情があります。いったいどのような実情があるのでしょうか。

「あぁ…もったいない!」 全国各地にある放置車両…なぜ撤去出来ない?

 たびたび問題になる放置車両の問題。
 
 駐車場にクルマが長期間放置されると、空車が少なくなり駐車できない、車体が汚れて景観を損ねるといった問題がたびたび発生します。
 
 撤去を求める声が当然寄せられますが、実は簡単に実行できない複雑な事情があります。いったいどのような実情なのでしょうか。

ホコリで落書きされているトヨタ「アベンシス」の放置車両(撮影:編集部)
ホコリで落書きされているトヨタ「アベンシス」の放置車両(撮影:編集部)

 実際に通常の駐車期間を大きく超えて長年放置されているクルマが多い場所として挙げられるのが空港の駐車場です。

 羽田空港の駐車場でも度々話題となっており、とくに第5駐車場では、トヨタやホンダなどのクルマがホコリをかぶったり、落書きされていたりする状態で放置されていました。

 なぜこのような放置車両が発生するのでしょうか。

 考えられる理由はいくつかありますが、空港という場所柄として、所有者が日本に戻ることができず、放置されたままになっている可能性が考えられています。

 ここ数年での問題の顕在化を踏まえるとコロナ禍の影響で日本に戻れなかったことが原因の可能性もあります。

 また、駐車料金が高額で放置されたままとなるケースや、犯罪や盗難などに関与している可能性も。

 なお羽田空港の駐車場では「20日間を超えて同一車両を駐車することはできない」とされており、この規定に違反した車両については撤去または処分する必要があります。

 実際には、羽田をはじめとした国際空港では、数年単位で放置されている車両も多いようです。

 撤去しようにも時間がかかり、裁判などの公的な手続きが必要となるため、なかなか対応が進まない状況にあります。

 例えば、羽田空港の第5駐車場においても、管理会社は「係争中」のようです。

 また放置された車両に対しては、長期間の駐車料金が発生するだけでなく、撤去費用や処分費用もかかります。

 これらの費用は、所有者に請求することができるものの、連絡が取れない場合や所有者が拒否する場合の負担者は、空港側しかいません。

 したがって、経済的な負担を考慮して空港側が対応を先送りにする場合もあるのです。

 それでは駐車場などの私有地の放置車両があった場合、管理者はどのように対応するのでしょうか。とある撤去専門業者は次のように話します。

「放置車両は違法と認められなければ撤去できません。そのため、まずお客様には警察への連絡をお願いしています。

 その後行うのは、ナンバーなどに基づいた所有者の照会です。その上で所有者が確認できれば、当社がレッカーを使用して撤去します。

 ただし放置車両のローンが組まれている場合は、撤去の義務を負うのはローン会社です。

 所有者の確認ができない場合は民事上の『所有権放棄車両の処分』手続きとなるため、これも業者が介在することではありません」

とあるサービスエリアでも放置車両が問題に。警告書が貼られている(画像提供:ユーザー)
とあるサービスエリアでも放置車両が問題に。警告書が貼られている(画像提供:ユーザー)

 このように長期間放置されている車両に対しては、専門業者が全て介入できるわけではないようです。

 SNSでは、そんな現状に対して様々な意見が寄せられています。

「放置車両がひどすぎる」、「ずっと放置されているがどうにかならないの?」という声のほか、特に目立つのは「法改正してクルマの所有者に駐車料金や移動費、諸経費を請求すべきだ」という声です。

 また、「長期出張者には契約制や場所指定を設け、それ以外はレッカー移動すべき」といった意見もあり、現行制度に対する不満が強く表れています。

 一方で解決策として、「放置車両を売却して駐車料金として没収した方が良い」とする意見もあります。

 放置車両が再生可能な状態であれば、再利用するのもひとつの方法として提案されています。

 また、放置車両の汚れがひどく、不快感を覚える駐車場利用者もいるようです。

※ ※ ※

 放置車両は、空港以外にもサービスエリア/パーキングエリア、商業施設などでも見られる問題です。

 簡単には撤去出来ない法律のなかで、どのようにすれば適切に処理ができるのか、今後の課題と言えます。

【画像】「えぇ!」これが「ヒドい落書き放置車」 画像を見る!(26枚)

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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