30年の歴史に幕! スバルの名車「アウトバック」生産終了へ! 「最後のモデル」は異例の“注文殺到”状態に… 「スバリスト」も大注目の「特別モデル」でシリーズ終売

スバル「アウトバック」が生産終了します。一体どのようなクルマだったのでしょうか。

「グランドワゴン」から続く「アウトバック」がついに終焉

 現在、スバルのフラッグシップとしてラインナップされていたスバル「レガシィ アウトバック(以下アウトバック)」。
 
 残念ながら現行モデルを最後に生産終了することがアナウンスされており、2025年3月31日をもって注文受付を終了しました。

さよなら「アウトバック」…
さよなら「アウトバック」…

 高められた車高やタフ感のあるスタイルをまとったクロスオーバーモデルであるアウトバックは、1995年に2代目の「レガシィツーリングワゴン」をベースに生まれた「レガシィ グランドワゴン」がその前身です。

 日本では280馬力を発揮する水平対向ターボによる“俊足ステーションワゴン”として知られていたレガシィツーリングワゴンでしたが、北米地域では信頼性の高さや4WDによる高い走破性、そして手ごろな価格という点が人気となり、より走破性を高めたモデルが求められていました。

 そこで、レガシィツーリングワゴンをベースに車高を高め、大径タイヤ、そしてタフなルックスを与えたのが、レガシィグランドワゴンだったのです。なお、北米地域ではレガシィアウトバックとしてリリースされたのでした。

 1997年8月には日本での名前をグランドワゴンから「ランカスター」へと変更。翌98年6月にはベース車とともに2代目にフルモデルチェンジを果たします。

 1999年9月には現在の先進安全機能「アイサイト」の前身ともいえる「アクティブ・ドライビング・アシスト(ADA)」を搭載した「ランカスターADA」も追加されています。

 さらに2000年5月には1996年に終売したスペシャルティモデル「アルシオーネSVX」以来の水平対向6気筒エンジンとなる「EZ30型」を搭載した「ランカスター6」も設定されました。

 2003年10月に再びフルモデルチェンジを実施すると、車名をランカスターから全世界統一のアウトバックへと変更。

 ADA搭載車は一旦姿を消しますが、2007年に追従レーダークルーズコントロールを備えた「SIクルーズ」搭載車を設定したのち、2008年5月にアイサイトを搭載したモデルを追加しています。

 2009年5月にはグランドワゴン時代から数えて4代目にフルモデルチェンジを実施すると、水平対向6気筒モデルはそれまでの3リッターから3.6リッターへと排気量を拡大(4気筒モデルは2.5リッターを継続)。

 ボディサイズも北米地域を意識して拡大され、全幅は1.8mを超える1820mmとなりました。

 そして2014年10月、フルモデルチェンジを果たしたレガシィシリーズは、伝統のツーリングワゴンが廃止され、セダンの「B4」とアウトバックの2本立てとなり、日本仕様からは6気筒モデルは消滅。水平対向4気筒2.5リッターエンジンのみとなりました。

 北米地域向けのモデルは2019年7月から新型の生産が始まりましたが、日本仕様は従来型を継続し、2021年夏まで販売が続けられました。

 2021年10月、日本仕様のアウトバックも6代目へと進化。これが現行型かつ最後のアウトバックとなり、エンジンは2.5リッターから1.8リッター直噴ターボへとダウンサイジングがなされています。

 2024年10月には前述した通り、2025年3月末で終売がアナウンスされ、最後の特別仕様車として「30TH アニバーサリー」を500台限定で発表。

 この特別仕様車は専用の内外装だけでなく、日立astemo製の周波数応答型ダンパーをフロントに採用した「STIチューニングダンバー」が特別装備となったことで一段と注目を集めました。

 実際に限定500台のところ、スバルファンやアウトバックファンから約3200件もの申込があったとのことで、その倍率は6.4倍となったのでした。

 今回、惜しまれつつ姿を消すこととなったアウトバックですが、日本向けとしては日本の交通事情にマッチしたサイズの「レヴォーグ」「レヴォーグ レイバック」が実質的な後継車種としてラインナップされているのが救いといえるのではないでしょうか。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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