なぜ“19年”経っても東京の道路完成しない? 理由は「約200のお墓」何が問題? 寺側移転同意も…長時間が掛かっているワケ
東京都練馬区で整備中の都市計画道路「放射第7号線」は、工事がほぼ大詰めにも関わらず、未開通状態が続いています。いったいどのような道路で、なぜ開通できていないのでしょうか。
なぜ開通しない理由は
東京都練馬区で整備中の都市計画道路「放射第7号線」は、工事がほぼ大詰めにも関わらず、未開通状態が続いています。
いったいどのような道路で、なぜ開通できていないのでしょうか。

放射第7号線は、千代田区九段北を起点に、関越道の大泉IC付近までが開通済み。「目白通り」「新目白通り」という通称がついています。
目白通り・新目白通りは、都心と関越道をつなぐアクセス道路の役割を果たす重要路線として知られます。いっぽう放射第7号線はさらに西へ延伸し、新座市・東久留米市・清瀬市を経由して所沢市の4車線道路までつながる計画となっています。
現在、放射第7号線は大泉学園町で終わっており、その次の工区が工事中です。しかしその工区の工事は、長年ストップしたままです。
最大の理由は、用地取得の難航です。すでに取得済みの区間は18年前に着工し、側溝から舗装までほぼ完成形になっていますが、全部つながらないと意味がありません。
用地未取得区間には寺院の墓地があって、その移設に際しての条件で、地権者と都のあいだで折り合いがついていません。
約200基のお墓のうち、道路用地にかかるのは約130基で、都は移設費用を出すとしています。しかしお墓の一部だけ移設となっても、墓地が分断されてしまいます。そこで寺院側は丸ごと移設を希望していますが、都は難色を示しているというわけです。
さて、こうして膠着状態が続いている放射第7号線ですが、2025年2月に「未開通区間2kmのうち、西側の1km」が先行開通されたばかりです。
この西側の1kmは西東京市境に面していて、そこから西東京市側はすでに開通しています。「西東京北町6丁目交差点」で大動脈の南北道路「伏見通り」に直結していて、三鷹市、調布市、稲城市、多摩市方面へ広い4車線で行けるようになりました。
残るは、お墓の周辺の約1kmを残すのみとなりました。
ところで、放射第7号線の延伸部は、さらに西東京市から先はどうなっているのでしょうか。複数の都県境が入り乱れ、混沌としており、工区もブツ切れになっている地理的要因で、なかなか一貫した事業進捗は見えません。
とはいえ、伏見通り西側工区、新座市栗原工区(約1000m)、東久留米市神宝町工区、金山町工区、新座市新堀工区(約500m)、清瀬市中清戸工区、上清戸工区、清瀬橋工区はそれぞれ事業化済みで、いずれも基本的に用地取得の段階です。
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