東京の歴史がまた一つ…「KK線廃止」「八重洲線 長期閉鎖」なぜ必要だった? 特殊な背景事情と驚きの「未来」とは
KK線の歴史と未来 廃止でどうなる?
KK線は、もともと東京都が土地を提供し、テナント賃料によって建設・維持される特殊な高速道路で、1日あたり約3万台が利用していました。1966年に全通して以来、都市交通の裏側を支える役割を担ってきた“異色の道路”でもあります。

しかし、KK線のルートと新京橋連結路が地下で重複するため、その存在意義が薄れたとされ、2022年に廃止方針が決定され、2024年4月には半世紀以上の歴史に幕を下ろしました。
なお、KK線の高架構造は撤去されず、「Tokyo Sky Corridor(東京スカイコリドー)」という名称で空中緑道へと転用されます。ベンチや植栽、次世代モビリティの停留所なども設けられ、都市型の歩行空間として再生される予定です。
また、八重洲線のトンネル内には上下線ともに、東京駅に直結する公共有料駐車場「東京駅八重洲パーキング(ヤエチカパーキング)」が設けられていました。ここには高速道路から直接アクセスできる専用出入口のほか、東京駅で乗降した人をピックアップできる無料の乗降所も併設されており、首都高利用者にとって貴重な施設となっていました。
今回のKK線廃止と八重洲線の通行止めにより、ヤエチカパーキング自体は引き続き運営されますが、首都高八重洲線からのアクセスはできなくなりました。今後は、外堀通りなどの一般道からの入出庫が主なルートとなります。
一方で、首都高に“幻の8号線”とされる区間が存在することも、今回の話題で注目を集めました。都心環状線とKK線を結ぶ「白魚橋料金所」周辺の短距離区間は「首都高8号線」とされており、今回の再編でもこのルートは存続します。東銀座出口などへのアクセスとして今後も利用されます。
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首都高では今後、混雑対策として都心環状線の内回り利用と、混雑時間帯を避けた走行を推奨しています。交通情報板やナビの活用など、ドライバー一人ひとりの判断が求められる時代に突入しました。
2035年度に開通予定の新京橋連結路が完成すれば、八重洲線も再び通行可能になります。それまでの10年間、都心の道路事情は大きな試練にさらされることとなりますが、新たな都市交通インフラへの転換期として注目されるべき動きといえるでしょう。
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