「運転免許の取得方法」4月から変更! MT車も乗れる「普通免許」が“一発”で取れない!? 「AT限定」取得後に4時間講習!? “初心者泣かせ”の新制度開始!

2025年4月の道路交通法改正により、今後の運転免許はまず「AT限定免許」を取得し、そのあと「限定解除」の教習を受けなければ、MT車が運転できない免許制度になりました。教習所での講習は4時限となっていますが、実際はどれくらいかかるのでしょうか。

「普通免許」の取得が難しくなる!

 2025年4月1日から「道路交通法施行規則」が改定され、クルマの運転免許証の取得方法が変更になりました。
 
 運転免許証を取得するには、まず「AT限定免許」を取得し、その後、「限定解除」の技能講習を受けるか、試験場で限定解除の技能試験に合格し、MT車も運転可能な「普通免許」に書き換えしなければならないという取得方法に変わります。

MT車も乗れる「普通免許」の取得が難しくなる!?
MT車も乗れる「普通免許」の取得が難しくなる!?

 この変更の背景には、現在の日本ではAT車の比率が9割を超えていてMT車を運転する機会が少ないこと、さらにAT車のみの教習となれば(ギア操作が極点に減るため)ステアリング操作や安全確認に意識を集中できること、教習所の教習指導員の負担も大幅に減るなどのメリットがあります。

 一方で、希少なMT設定があるスポーツカーなどはAT限定免許では運転できないため、さらにMT離れが進むことも想定されます。

 AT限定を解除する方法は2種類。ひとつは教習所の限定解除コースで講習を受け、教習所内の技能試験に合格して取得する方法、もうひとつは試験場で実施される技能試験に直接挑み、合格を狙うというものです。

 ちなみに、限定解除に必要な技能講習は4時限。教習所では1日に受けられる技能講習が2時限までという制約があり、技能試験にも合格しなければいけないことを考えると、最低でも3日はかかる計算です。

 試験場の技能試験を直接受ける場合は、合格すればその日のうちに限定解除となり、免許証の書き換えが可能になります。

 自動車教習所の元教習指導員の経歴を持つI氏は、限定解除するのなら、数日かかったとしても教習所での受講がおすすめだと言います。

 試験場での技能試験、いわゆる「一発合格」を目指すのはかなりハードルが高いのだそうです。

「これは、実際の路上での操作方法や安全確認と、教習所および試験場での運転方法が大きく違うことが起因しています。

 たとえば停止後は必ずクラッチを踏み、ギアを1速に入れ直す必要があったり、窓を開けての後方確認や、エンジンブレーキを使用する場合はペダルから足を離さなければいけないなど、教習所や試験場で“良し”とされている技能試験特有の運転方法が必要になるためです」

 特に一般道では軽くサイドミラーで視認して走り出しますが、教習所内での技能講習以上に、試験場の技能試験ではしっかり後方を向いて目視で確認をしなければ減点され、小さなミスが積み重なり、一発どころか何回試験を受けても合格できない可能性もあるのです。

 実情としては「実際の運転技術」より「試験に合格するための運転」ができるかが問われる試験なので、教習所で「受かる」技能を磨くのが得策。費用も時間も、実際は教習所に通うほうが安価に済むケースがほとんどでしょう。

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