九州~四国つなぐ「豊後伊予連絡道路」実現へ前進中!? 大分・愛媛を「トンネルか橋」で直結 両県知事が「連携」して国へ提言も!? 今どこまで進んだのか

実際どこまで話が進んでいるのか

 とはいえ、一般人にとってまだまだ「夢物語」で終わっているこの構想、現在進行形で何がどう動いているのでしょうか。

愛媛県松山市(画像:写真AC)。
愛媛県松山市(画像:写真AC)。

 まず国の基本的な姿勢は、2023年7月の10か年計画「国土形成計画(全国計画)」において、「湾口部、海峡部等を連絡するプロジェクトについては、長期的視点で取り組む」という方針で示されているとおりです。つまり、前向きに取り組んでいくことは明確になっています。

 そして国土交通省が2021年に策定した「新広域道路交通計画」にも構想路線として、おおまかなルートが記載されています。

 とはいえ、そこから具体化へ動きだすにはまず、地方からの機運が無いと話になりません。

 まず大分県知事は2024年6月議会で、「おりしも、海峡を横断する下関北九州道路が事業化に向けて動き出しています」として、近年では九州最大級とも言える道路計画のスタートに触れたうえで、以下のように方針を目一買うに打ち出しています。

「豊予海峡ルートの道路整備については、進捗中の中九州横断道路から延伸し、九州の強みである半導体や農林水産物等を効率的に関西方面へ、さらにその先へと運ぶ物流道路としての効果も期待されます」

「本県としても豊後伊予連絡道路が次に続くプロジェクトとなるように国や関係機関等への働きかけを今もしていますが、強めていきます」

 ここで「働きかけを強めていきます」という表現を用いたことに、知事の意欲があらわれています。

 いっぽう愛媛県側でも、実現に向けた交渉のための地震観測調査を毎年行うなど、準備を着実に続けています。

 そして2024年10月末に、両県知事が「愛媛・大分交流会議」で会談。

 ここで大分県知事は、愛媛県知事に対し、海峡道路へ協働して国へ働きかけるべきだと、熱烈に説きます。

「豊後伊予連絡道路について、国に対して例えば調査をすべきだというような要請を、一緒にしていただけると。この間も副知事さんと一緒に活動をしましたが、ぜひ愛媛県さんと一緒に、豊予の道路の整備を一緒に、調査をすべきだという要請をしていただけるとありがたいなと」

 愛媛県知事はこれに対し、「坂の上の雲ミュージアム」(松山市)を訪問した際に、当時の政治家たちのダイナミックな国家戦略にあらためて気づかされたとしつつ、「長い目で見た国家戦略の中で位置付けるべきだという主張を続けていく必要は痛感しているところであります」と答えています。

 大分県知事はそれを受け「愛媛県が重要なパートナーになってきますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います」とあらためて要望し、会議は終わりました。

 それが結実したのが、2024年11月末に国へ提出された「南海トラフ地震による超広域災害への備えを強力に進める10県知事会議」における政策提言書です。

 そのなかで「ダブルネットワークの形成等、災害に強い国土幹線道路ネットワークの構築」として、「豊後伊予連絡道路の検討への支援」を国へ求めています。

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Writer: くるまのニュース編集部

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