「過積載ぜったい許さない!」 “大迷惑”な「重量オーバートラック」を一斉検挙! ドライバーも運送会社も“荷主”も「全員アウト!」 命に関わる「違法過積載」を取締り実施 茨城

茨城県警は公式SNSで、過積載車両の取り締まり実施状況を明らかにしました。県と合同で、指導警告も行ったといいます。

命にかかわる「迷惑トラック」を取り締まり

 茨城県警は2025年3月15日、公式SNSで過積載の貨物車両に対する取り締まりを実施したと明らかにしました。
 
 今回取り締まりを行ったのは、圏央道と国道354号、国道4号です。

トラックのイメージ(画像:PIXTA/検挙された過積載車両とは無関係です)
トラックのイメージ(画像:PIXTA/検挙された過積載車両とは無関係です)

 トラックやダンプなどの貨物車では、それぞれの車両に「最大積載量」が定められています。

 最大積載量は「設計する上で、安全の観点からギリギリ耐えきれる重さの上限」なので、当然これを1gでもオーバーした「過積載」状態は、非常に危険なのです。

 ジェンガのように廃材を「山積み」して、今にもボロボロこぼれてきそうな状態はもはや論外ですが、そうしたほどではなくても大事故に至る可能性があります。

 まず、大きく重たい荷物を積んでいると、ブレーキの効きが悪くなります。これは物理の「慣性の法則」によるもので、どんなにトラックの性能が良くても、抗いようがありません。

 全日本トラック協会の資料によると、80km/hで走行している10トントラックで限界の10トンを積んでいる場合、制動距離は50.3m。

 しかし、同じトラックで80%も過積載した18トン積み状態では、70.3mに。20mという長さはおよそ大型トラック2台分、もしくは電車1両分と相当な距離です。

 万が一、過積載車の前に人やクルマが飛び出してきたら、オーバーランして突っ込んでいくことになります。そして、その突っ込んだエネルギーも物理の法則上、80%オーバーの質量に比例するので、ぶつかった相手に与える損害も甚大です。

「最大積載量」とは先出の通り「設計上MAXの重さ」なので、これを上回っているということは、トラック自体にも大きな負荷をかけます。

 カーブでは想定より強い遠心力が働いたり、横風に耐えられなくなってあおられたりして、バランスを崩しやすく、横転・転覆の大事故に至ることがあります。

 そこまでにならなくとも、重さに耐えきれず荷台やシャシが折れたり、タイヤがバーストし、いつ立ち往生するかわかりません。エンジンやミッションなどの駆動系にも無理をさせて寿命を縮め、燃費も悪化し、コストもかかります。

 さらには、周囲の一般ドライバーや地域住民にも大迷惑をかけるのです。

 道路の小さな穴ぼこをさらに深くさせたり、橋にダメージを与えたりします。また、クルマが重くて加速しないのでアクセルを強く踏み込む必要があり、その結果、騒音を発生させ排気ガスも撒き散らしてしまいます。

 万が一事故に至ったら、過積載だった点が非常に厳しく追求され、民事・刑事上で裁きを受けるだけでなく、多額の損害賠償が請求されるでしょう。

 また、国交省から事業者名が公表されると、「過積載を平気で行う悪質業者だ」という話が広がり、取引先から契約を打ち切られ、仕事を失うことになります。

 さらに、過積載車のドライバーや運送会社だけでなく、「この荷物を何時までに何処何処へ運べ」と依頼した“当の本人”である荷主にも責任が追求されます。

 これは、荷主による「下請けいじめ」や「圧力」が諸悪の根源であり、実際にはドライバーや運送会社が「この荷物量は過積載になりそうだから無理だ」と正しい判断をしても、それに逆らえないという実情があるためです。

 何度も警告しているのに改善されない場合、数日から数年にわたってそのトラックを運転したり、運転させたりすることを禁ずる「使用制限処分」や、懲役または罰金刑が下ります。

 さて、茨城県警では今回、圏央道と国道354号、国道4号で白バイと覆面パトカーを動員。過積載車両の一斉取り締まりに臨みました。

 このとき茨城県の廃棄物規制課も連携し、摘発した残土運搬の運転者には不適正処理防止の指導を行ったといいます。

 SNSでは「重量制限を守って、大切な命を守りましょう」と呼びかけています。

 なお、茨城県警ではこれまでも、白バイや覆面パトカーを使って過積載の可能性があるトラックを見つけては測定所に連れていき、調査しているほか、高速の出入り口などに抜き打ちで測定器を設置して、その場で検挙しています。

 特に産廃運搬に関しては規制を強めており、ヘリコプターを使って荷物の搬入元や搬出先を追跡しているほか、県と合同で荷主の正体や荷物の行先などを入念に調べています。

【画像】「えっ…」 これが摘発された「違法な過積載トラック」です!

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1件のコメント

  1. アメリカの方法を取り入れられないものかな?
    ところどころに測定所があって、ランダムに抜き打ち検査できるようになっているのはなかなか合理的に見える
    車載側には測定所手前で測定該当車に選ばれたことを告知するマーカーとブザーで知らされるような仕組み
    違反するとペナルティなり次の測定所で測定を促すようなシステム

    まぁ、狭い日本、測定所の設置できるスペースが足らないかもかだけど

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