「どうして…入らないの!?」 実は間違っていたから? 給油ノズルの『太さ』が違う理由は? 未だに「軽自動車に軽油」後を絶たず… 入れ間違い対策とは

最近はユーザー自身で給油をおこなう、セルフ式のガソリンスタンドが増加しています。しかし利用に際しては、燃料を間違えて「誤給油」をしてしまう事例が散見されます。誤給油に対してはさまざまな対策が取られていますが、一体どのような点に注意すれば良いのでしょうか。

「軽自動車に軽油」・・・燃料の入れ間違いによるJAFの出動が100件を超える月も!

 セルフ式ガソリンスタンドの利用に際しては、燃料を間違えて「誤給油」をしてしまう事例が散見されます。
 
 誤給油に対してはさまざまな対策が取られていますが、一体どのような点に注意すれば良いのでしょうか。

実はノズルの太さに秘密があった
実はノズルの太さに秘密があった

 最近はユーザー自身で給油をおこなう、セルフ式のガソリンスタンドが増加しています。

 2024年8月に一般財団法人日本エネルギー経済研究所 石油情報センターが公表した「セルフSS出店状況調査結果」によると、セルフ式のガソリンスタンドは全国で1万829店舗、全ガソリンスタンドに占める割合は39.5%であり、昨年の調査から1.2%上昇しました。

 さらに2020年1月に「乗りものニュース」が自動車ユーザー1060人に対しておこなったアンケート調査では、「従業員がいるフルサービスとセルフサービスのどちらを優先的に探すか」との質問に、全体の68.9%にあたる730人が「セルフサービス」と回答しており、その人気の高さがうかがえます。

 セルフ式ガソリンスタンドは、フルサービスのガソリンスタンドと比べて価格が安い傾向にあるほか、「店員と話さなくてよい」、「セールスを受けにくい」といった理由から利用する人が増えているといえるでしょう。

 しかしセルフ式のガソリンスタンドを利用する際に注意したいのが、給油する油種を間違える「誤給油」です。

 具体的には、軽油を燃料とするディーゼル車にガソリンを入れたり、反対にガソリン車に軽油を入れたりするケースが挙げられます。

「そのような間違いをするはずがない」といった声も多く聞かれますが、JAFが公表したデータによると、2022年10月1日から10月31日までの1か月間に「燃料の入れ間違い」による救援件数は105件であり、そのうち「ガソリン車に軽油を給油」が59%、「ディーゼル車にガソリンを給油」が41%という結果でした。

 加えてJAFの聞き取り調査では、誤給油について「レンタカーを借りて普段の車両と違ったため」という理由が聞かれたほか、「軽自動車なので軽油を入れた」などドライバーの認識不足によって誤給油が発生した状況もみられました。

 なおガソリン車に軽油を入れた場合、エンジンの出力が下がって加速が鈍くなるだけでなく、軽油の比率が高まるとエンジンが止まってしまうおそれがあります。

 またディーゼル車にガソリンを入れた場合についても、症状に違いはあるものの、最終的にエンジンが停止することが想定されます。

 このように誤給油はクルマの故障を引き起こす原因となるため、他人事と思わず、十分に注意すべきといえるでしょう。

 自動車ユーザーは普段あまり意識していませんが、ガソリンスタンドでは誤給油を防ぐ工夫がされています。

 たとえば給油ノズルは油種が一目で分かりやすいよう法令によって色分けされており、レギュラーガソリンが赤色、ハイオクガソリンが黄色、軽油が緑色と決まっています。

 また多くのガソリンスタンドでは、給油ノズルの持ち手部分やノズル置き場などに「レギュラー」、「ハイオク」、「軽油」と、それぞれ表記されています。

 そして実は給油ノズルの太さにも違いがあり、ガソリン用ノズルより軽油用ノズルの方が太く設計されています。

 そのため、仮に軽油用ノズルをガソリン車の給油口に差し込もうとしても奥まで入りません。

 給油ノズルを差し込んだ際に違和感があれば、油種を間違えていないか確認することが大切です。

 そのほか、燃料が満タンになっているにもかかわらず給油をする「注ぎ足し給油」をすると、ガソリンが吹きこぼれるおそれがあるため気をつけましょう。

 給油ノズルの先端には検知口と呼ばれる小さな穴があり、クルマの燃料タンクが満タンになるとセンサーが反応して自動的に給油を停止します。

 つまり給油中に「ガチッ」と音がしたら、それ以上は給油しないことが重要です。

※ ※ ※

 また最近のクルマでは給油口に指定された油種として、軽油であれば「軽油またはディーゼル(DIESEL)」、レギュラーであえば「レギュラー(REGULAR)」、ハイオクでは「ハイオク(PREMIUM)または無鉛プレミアム」などと表示されています。

 なお基本的に自動車教習所では燃料の給油方法を指導しておらず、自動車ユーザー自身で確認しておく必要があります。

 給油方法についてはインターネット上で多く解説されているほか、クルマの取扱説明書にも掲載されているため、初心者の人は参考にすると良いでしょう。

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