日産の斬新「“2列6人乗り”ワゴン」に注目! “前席に3人乗れる”シート&「リッター23キロ」メーカー初の「低燃費モデル」も! 全長4.3mボディの「ティーノ」とは?

日産は今からおよそ27年前、前席に3人が座れる斬新な「6人乗りワゴン」を発売していました。一体どのようなクルマだったのでしょうか。

コンパクトミニバンの源流!?

 近年では運転のしやすさや価格の安さからコンパクトミニバンの人気が高まっており、トヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」が市場を席巻しています。
 
 そんなコンパクトミニバンの先駆け的なモデルを、日産は1998年から2003年にかけて販売していました。

コンパクトなボディなのに2列6人乗り!日産「ティーノ」とは?
コンパクトなボディなのに2列6人乗り!日産「ティーノ」とは?

 そのモデルとは「ティーノ」です。

「オールマイティーノ。」のキャッチコピーで登場したティーノは、6人乗りハイトワゴンとして1998年12月に発売されました。

 ボディサイズは全長4270mm×全幅1760mm×全高1610mmで、当時の日産「サニー」に使われていた新設計のプラットフォームを採用。

 3ナンバーサイズながら全長は短く抑え、幅と高さにゆとりをもたせた設計となっています。

 室内幅は1500mmで、2列ともに3人が座れるスペースを確保していました。

 そんなティーノと同様、2004年に登場したホンダ「エディックス」も3+3のユニークなレイアウトで知られています。

 しかし、エディックスの座席が全席独立式シートであったのに対し、ティーノは前席にベンチシート、後席に独立式シートを採用しているのがポイントです。

 くわえて、コラムシフトと足踏み式パーキングブレーキを装備することで、前席の足元空間に余裕をもたせ、ウォークスルーを可能としています。

 また、後席を格納すると貨物車に匹敵する広大なスペースが生まれるなど、多彩なシートアレンジに対応しているのも特徴の1つ。

 後席は工具などを使わずに取り外すことができるうえ、車検証への記載変更も必要ありませんでした。

 パワートレインは1.8リッターまたは2リッターの直列4気筒エンジンを搭載。

 発売当時の価格は、1.8リッター車が169万7000円(1.8G)から、2リッター車が189万6000円(2.0G)でした。

 そんなティーノですが、前席に3人が座れる斬新なシート配置だけでなく、ハイブリッド仕様が追加された点も注目に値するポイントです。

 100台限定で販売された「ティーノハイブリッド」は、日産初のハイブリッド車として知られています。

 パワートレインは、1.8リッター直列4気筒エンジンにモーターとリチウムイオン電池を組み合わせたハイブリッドシステムを採用しています。

 ティーノハイブリッドの10・15モード燃費は、同クラスのガソリン車の2倍以上に相当する23.0km/L。

 当時トップクラスの燃費性能を誇ったトヨタ初代「プリウス」の10・15モード燃費が28.0km/Lであったことからも、優秀な数値を達成したといえるでしょう。

 3+3の画期的なシート配置は多くのユーザーに受け入れられなかったのか、最大のアピールポイントであった6人乗り仕様は、2002年のマイナーチェンジをもって廃止に。

 2000年に追加された、前席2人+後席3人の5人乗り仕様に一本化される運命をたどりました。

 その後、2003年に日本での販売を終了し、以降は2021年にノートオーラが登場するまで日産車の3ナンバーコンパクトカーは姿を消していました。

※ ※ ※

 販売期間は5年弱と短命に終わったティーノですが、最近のクルマにはない個性的なポイントをいくつも持っており、なかなかチャレンジングな1台でした。

 コンパクトミニバン全盛期の今こそ再評価すべきポイントがあるのではないでしょうか。

【画像】「えっ…マジ!?」 これが「前席3人乗り仕様」の斬新ワゴンです!(30枚以上)

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Writer: 山城颯太

理系国立大学を卒業後、自動車メディアを中心にフリーランスのライターとして活動中。TOEIC 925点。クルマから電車、飛行機まで乗り物大好き。主に新型車のグレードに焦点を当てたモデル紹介、海外車の執筆などを担当。

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