1600万円超え「ツウ好みの上級セダン」登場! 529馬力「直6ターボ」×高性能4WD採用の「アルピナB3」! ブランド吸収前“最後”を飾る「2つのGT」発売へ どんなモデル?
BMWをベースに特別な内外装や専用チューニングのパワートレイン・サスペンションを備えた「アルピナ」ブランドが、BMW合併前最後のモデルとなる「B3 GT」と「B4 GT」をリリースしました。どのようなクルマなのでしょうか。
最後のアルピナも「アルピナ」らしく
BMW車ベースの高級ブランド「ALPINA(アルピナ)」は、2026年からBMWグループに商標権が譲渡されることが決まっています。
今回、創業者ブルカルト・ボーフェンジーペンが生み出したBMWアルピナ車の実質的な“最終モデル”となるアルピナ「B3 GT」「B4 GT」が2025年2月21日、プレス内覧会で公開されました。
最後のアルピナも、同ブランドの哲学に基づくこだわりが貫かれています。

BMWをベースに、パワートレインやシャシ、足まわり、さらには内装まで独自のこだわりで仕立てるアルピナは、ドイツでは最も小さな自動車メーカーとして知られています。
日本でもBMWのファンはもちろん、クルマ好きの中でも特別な存在であり、いわゆる「上がりのクルマ」「ツウ好み」「羊の皮を被った狼」などの表現がされることが多いブランドです。
年間の生産台数はわずか約1700台程度で、そのうち300台前後が日本に割り振られているといいますから、わが国のエンスージアスト(熱狂者)の多さや自動車文化の成熟度がうかがえます。
しかし、アルピナは2026年にBMW本体に商標権が移ることが発表されています。気になる行方は今後明らかになる模様ですが、ひとまずこれまでの登場した全年式の車両スペアパーツの供給やサービス提供は長期的に保証することはアナウンス済みです。
また、アルピナの日本総代理店であるニコル・オートモビルズは、アルピナのグッズをオンラインショップで扱う準備を進めているとのこと。
そんなアルピナですが、中核車種となるのがミディアムセダン「3シリーズ」とクーペ「4シリーズ」をベースとしたモデル。現行型では、BMWが2024年に行ったマイナーチェンジが反映されています。
今回発表されたB3 GTとB4 GTの2台は、創業家ボーフェンジーペン家が手掛ける実質的な最終モデルになります。
搭載される3リッター直列6気筒「ビ・ターボ」エンジンは、独自のエンジンマッピングがさらに見直された結果、最高出力が34PS向上し、389kW(529PS)と730Nmという圧倒的なアウトプットを実現しています。
8速スポーツATと可変式の全輪駆動システム、電子制御式リアLSDとの組み合わせにより、ハイパワー、大トルクを確実に路面に伝えるのはもちろん、トランスミッションのプログラムも出力向上に合わせて変更されています。
エンジンルームには、アルピナ独自のアルミ製のボディ補強パーツ「ドーム・バルクヘッド・レインフォースメント・ストラット」による剛性強化が盛り込まれていて、ステアリングの応答性や精度向上に寄与。
なお、B3 GTのセダンモデル(アルピナではLimousine=リムジンと呼称)には、より高いレートのリアスタビライザーが備わり、ロールのコントロール性とステアリングレスポンスの向上にひと役買っているそうで、前後の剛性バランスにも目配りされているはずです。
そして、やはり見た目はさり気なく、3シリーズから最小の変更にとどめているのもアルピナらしく、「ALPINA」のロゴ入りのフロントスポイラーに、小さなカナードとスプリッターが備わっています。
新デザインとなるリアディフューザーとバランスが図られたエアロダイナミクスもトピックス。
足元では、通常モデルのB4に装着されていたアルピナオリジナルの20インチ鍛造ホイールがB3 GTにも標準化され、アルピナらしい繊細なスポークによるスタイリッシュな足元に仕立てられています。

インテリアは、アルピナ独自の最高級素材「ラヴァリナレザー」に、手作業で仕上げられたステアリングホイールのステッチ、アルマイト処理されたアルミニウム製の「アルピナ・スウィッチ・トロニック・シフト・パドル」、ドアシルトリムやステアリングの“GT”のレタリングなどが、あくまで控えめにアルピナであることを主張しています。
アルピナが誕生してから2025年で60周年の節目を迎える中、日本でも創業家による最後のアルピナであるB3 GT、B4 GTがリリースされたことになります。
多くの熱烈なファンを抱えるだけに、気になる方は早めのオーダーが賢明なようです。
価格はB3 GT リムジンが1600万円、B3 GT ツーリングが1670万円、B4 GT グランクーペが1660万円(いずれも税込)となっています。
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