マツダ「新型コスモ」!? 旧車デザイン&ロータリーエンジンじゃないエンジン採用の「ロードスター」! 現代に復活な「NATS COSMO VISION」ってどんなクルマ?

東京オートサロン2022の会場にて、往年の「コスモスポーツ」を彷彿させる「COSMO VISION」が展示されていました。しかも、このクルマはナンバーを取得しており、公道における走行実績もあります。一体どのようなクルマなのでしょうか。

令和の時代に復活したコスモスポーツ!?

 東京オートサロン2022の会場にて、往年の「コスモスポーツ」を彷彿させる「COSMO VISION」が展示されていました。しかも、このクルマはナンバーを取得しており、公道における走行実績もあります。

現代に蘇ったコスモ!
現代に蘇ったコスモ!

 COSMO VISIONはマツダが開発・製造しているオープンカー「ロードスター」(ND=現行型)をベースにした改造車で、マツダの名車「コスモスポーツ」をオマージュしたものです。

 改造したのは千葉県にある日本自動車大学校(NATS)の学生で、本来であれば東京オートサロン2021で展示される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期されたため翌年の公開となりました。

 コスモスポーツは1967年5月に発売された世界で初めてロータリーエンジンを搭載したクルマ。2人乗りで名前の通り軽快なスポーツカーでした。

 シャシはオールスチールモノコックで、風洞実験を繰り返して細部のデザインにこだわったボディは、空気抵抗係数(Cd値)0.39を実現。エンジンは491cc×2の10A型水冷直列2ローターでした。

 COSMO VISIONのボディサイズは公開されていませんが、ベースとなったマツダロードスターは全長3195mmX全幅1735mmX全高1235mm、ホイールベース2310mmなので、おおむねこれに準じているものと推測できます。

 しかし、全高に関してはコスモスポーツと同値である1165mmに抑えられているとのことです。

 エクステリアはところどころロードスターの面影が多少残るものの、フロントフェイスから前後パンパー、フェンダーなどあらゆるデザインが変更されています。

 ヘッドライトはVW「ニュービートル」のものを、テールライトはスズキ「ハスラー」のものを、そしてウインカーはホンダインサイトのものだといいます。

 一方で、マツダのエンブレムと「CX-5」のものを流用したグリルによってマツダらしさを演出し、ボディサイドに走るプレスラインはコスモスポーツを想起させるものとなっています。

 足回りはレイズ製17インチアルミホイールにトーヨー製タイヤ「PROXES R888R」(235/45ZR17)を合わせ、さらにAirForce製のエアサスペンション(走行車高機能復帰付き)を組み込んでいます。

 インテリアには高品質なBRIDE製シートや、手元をカッコよく決められると人気のNARDI製ステアリングが採用されており、シックなブラックでまとめられています。

 パワートレインはロードスターと同様の1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載。エアクリーナーはBLITZ製のものを、タワーバーはLAILEのものを取り付けています。

 製作に携わった学生たちは「コスモスポーツのサイドのラインを再現するのに苦労した。フロントを延長するための加工やパテ処理が大変だった」や「現代のロードスターで昔のコスモスポーツを再現するため、流行っている太いタイヤやエアサスなどを付けたかった」と話していました。

※ ※ ※

 COSMO VISIONは、かつてマツダが世界を驚かせたコスモスポーツを現代に蘇らせたものです。当時を知る人が見ると懐かしく思い、そうでない人には斬新に映るかもしれません。いずれにしても、このクルマがナンバーを取得して公道を走れるようにするとは、さすが日本自動車大学校の生徒だと言えるでしょう。

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Writer: パワーボム

関西大学社会学部卒業後、某CS放送局運営のメディアにてライターとしてのキャリアをスタート。自動車ブログの立ち上げから携わり、主にトヨタ車やレクサス車、キャンピングカーを中心に取材記事を多数執筆する。

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