最新「自動車盗難数」発表! 年間6000件超え!? ワースト1は愛知で866台、なぜ? 国産スポーツカーよりも狙われやすい車種は? 対策は?

そういえば、かつてほど国産旧車の盗難が減った? 理由は?

 盗難されるクルマの傾向に少し変化があることも注目です。

 2022年頃までは、日産「スカイラインGT-R」をはじめとする旧車の盗難が目立っていましたが、2023年~2024年ではかなり減っています。

 それは警察庁が公開している「車名別盗難台数の状況」からも明らかです。

 2022年(令和4年)のスカイラインは全国で116台が盗まれ車名別盗難台数で8位、2023年(令和5年)は71台に減少してレクサス「LS」と同台数で10位。

 そして20224年上半期(1-6月)はついにランク外となりました。

盗難後に発見され、警察署で引き渡される様子(撮影:加藤博人)
盗難後に発見され、警察署で引き渡される様子(撮影:加藤博人)

 盗難情報掲示板での報告台数も同様に減っており2022年9月~2024年12月まで、59台のスカイライン(GT-R含む)が盗まれていますが、その内訳は以下の通りです。

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2022年9月~12月(4か月)21台
2023年1月~12月→28台
2024年1~12月→8台
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 2022年はわずか4か月で21台の報告がありましたが、以降は大幅に減少していることがわかります。

 なお、スカイラインだけではなくマツダ「RX-7」やホンダ「シビック」、「インテグラ」などの旧車スポーツカーも同様の傾向が見られます。

 世界的に日本の旧車は相変わらず人気が高いのですが、旧車の盗難が大幅に減少した背景にはアメリカでの輸入ルール(部品の保安基準や排ガス検査強化など)が厳格化されたこと。

 さらには、正規の輸出関連書類を持たないことなど盗難車の不正輸入を排除する体制がアメリカ側で整えられたことも大きく関係しているといえるでしょう。

 盗難車ではない正規の中古車輸入の場合、良く知られるのがアメリカの「25年ルール」です。

 これは製造から25年経過していれば、米国保安基準FMVSSに関係なく右ハンドル車でも各種試験なしに輸入が可能となるというルール。

 これによって製造から25年を過ぎた日本旧車の輸入は可能となりますが、これはあくまでも「輸入」のためのルールです。

 アメリカでの販売や登録は各州のルールが優先的に適用されるため、排ガス基準の厳しいカリフォルニア州などでは登録が難しい車種もあります。

 同じく日本の旧車スポーツカーの人気が高かった香港も中古車輸入の車齢制限が2022年からスタートし、以降は物理的に古いクルマの輸入が難しくなっています。

 このような海外の中古車輸入ルールの変更や厳格化が旧車スポーツカーの盗難台数を大幅減少させたと考えられるのです。

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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