恐怖!? トヨタ「ランクル」の盗難“未遂”事件発生! なんとか「直前ギリギリ」で阻止! 犯人も「こりゃ無理だな…」さじを投げた対策とは? 茨城県警が警戒を呼びかけ
茨城県警は公式SNSで、トヨタ「ランドクルーザープラド」の盗難未遂事件が発生したと発表しました。一体何が起きたのでしょうか。
ギリセーフ! 窃盗団が諦めた「単純かつ最強のシステム」とは
茨城県警は2025年2月10日、公式SNSでトヨタ「ランドクルーザープラド」の盗難未遂事件が発生したと発表しました。
一体何が起きたのでしょうか。また、なぜ「未遂」で終わったのでしょうか。

クルマの盗難件数は年々減少傾向が続いています。
警察庁が発表したデータによると、最新の2024年(令和5年)の認知件数のデータでは5762件と、ピークだった2003年(平成15年)6万4223件から、10分の1以下まで減少しました。
ただし、現在でも6000件近く発生していることに加え、現在の自動車盗の特徴はかつてのような「どんな場所にある、どのクルマでもいい」というわけでなく、一部地域のごく一部車種に集中しているのです。
特に集中しているのが、千葉県や茨城県です。これは、盗んだクルマは主に輸出が目的であり、そのクルマを扱うヤードがこうした地域に集中しているためで、見つかる前にさっさと持っていくことができるからです。
また、盗難される車種にもある程度の特徴があります。先出の通り「輸出」が目的であるため、海外で人気が高まっているクルマが狙われるのです。
例えば、中東地域で非常に人気があるトヨタ「ランドクルーザー」シリーズや「アルファード」、レクサス「LX」、東南アジア地域で実用の道具として人気のトヨタ「ハイエース」や「プリウス」などは非常にリスクのある車種です。
このほかにも、映画やマンガなどを発端とする国産スポーツカー人気により、トヨタ「スープラ」や日産「スカイラインGT-R」「シルビア」、マツダ「RX-7」、三菱「ランサーエボリューション」、スバル「インプレッサWRX」なども多数盗難されています。
SNSでは、たびたびこうしたクルマの盗難情報が寄せられており、運よく発見に至った例や、残念ながら見つからぬままというケースもあります。
さて、今回茨城県警が発表したのは、ランドクルーザープラドの盗難未遂事例でした。
水戸市内に停まっていたランドクルーザープラドを盗もうと、なんとか解錠はしたものの、うまく阻止できたといいます。
この被害車両には、ハンドルをめいっぱい切った状態で物理的に動かないようにする「ハンドルロック」が仕掛けられており、窃盗団はこの堅牢なハンドルロックを解除できずに諦めたようです。
茨城県警ではこのほか盗難防止策として、ハンドルロック同様に物理的にクルマを動かなくする「タイヤロック」や、バッテリーを外されたりしても動く「独立型の警報装置」や、クルマの純正セキュリティとは違う「電子制御システム」の追加などを提案。
見つからないようにGPSを設置したり、ドライブレコーダーも常時録画タイプにすることで阻止できるとしています。
公式SNSでは「みんなでやろう自動車盗難防止対策!ハンドルロックは外されない強固なものをお選びください」と呼びかけています。
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クルマが高機能・多機能化するいっぽう、それに合わせて窃盗団の手口も巧妙かつ悪質になっています。
近年の新車に装備が進んだ「スマートキー」は、常に微弱電波を発し、キーを持っているだけでドアハンドルに触れるとロックが解除される便利な機能ですが、この特性を悪用して、キーと車両を「中継」して解除する手口が横行しています。
さらには、クルマに多数のセンサーや、各パーツにコンピューターが備わっていることから、バンパーやライトを無理やりこじ開けて、車体にあるパーツ接続用のコネクターに機器を割り込ませ、ハッキングしてロック解除とエンジン始動を行う例もあります。
こうした「電脳犯罪」のような手口に関しては、結局のところ「物理的にクルマを出せないようにする」という方法が一番最適です。クルマ自体も窃盗団が盗みたい車種であることを隠すためにカバーをかけたり、手間を取らせて時間を稼ぐことも有効です。
また、そもそも「このクルマを盗むにはいろいろ大変そうだな」と思わせる場所や設備があるところに停めるのも有効です。シャッター付きガレージや、防犯カメラやセンサーライトの設置、人目につく駐車場を選ぶなどです。
出先で狙われる可能性もあるほか、一度目を付けられると、車体下にGPSを取り付けてクルマの在り処を特定する悪質な窃盗団もあるため、そういった機器がないかも定期的にチェックするとよいでしょう。