川口JCTにある謎の行先「東領家」って何だ!?「どこにある?」「いつも気になる」の声も “マニアック地名”が高速看板に採用された「納得の理由」とは
なぜ東北道の案内に「東領家」が?
川口JCT手前の看板で案内する地名で、池袋や葛西(湾岸線)などの広域地名やJCT名を採用せず、「東領家」を採用したのには、理由はあるのでしょうか。

看板を設置したNEXCO東日本に尋ねたところ「主要な都市や生活圏の中心となっている市町、著名な地点などを採用しています」とのことでした。
この案内標識の地名採用に関するルールは、国道の場合、国が通達「案内標識の表示地名に関する基準」を出しています。高速道路会社はこれを準用したり、これを元に独自のルールを制定している場合があります。
さて、その基準では、地名を広域な順に、基準地(特に重要)・重要地(県庁所在地や政令市、地方中心都市)・主要地(二次生活圏の中心都市)・一般地に分類。
主要幹線道路の場合は「原則として重要地、あるいは主要地」、幹線道路の場合は「一般地もふくむ」、補助幹線道路は「いずれもOK」など、その使用原則に違いを持たせています。
そのなかで「東領家」は、埼玉県・東京都のいずれの「主要地」にも含まれておらず、それ以外の「一般地」扱いになる地名です。繰り返しになりますが、この通達は国道や県道、市道に適用するものであって、NEXCO管理の高速道路である東北道は適用外です。
それでは、国の目安でも「主要でない地名」扱いされている東領家が、なぜ採用されたのでしょうか。
実はこの「東領家出口」は、鹿浜交差点で「環七通り」に直結しているのです。
都内をぐるりとつなぐ幹線道路の筆頭格ですが、足立区内の「ほぼ唯一のまともな東西道路」と言ってもいい存在で、ここで環七に乗らなければ、隣接する別のエリアへ到達することは困難。その意味で、首都高川口線の中でも特に重要な出口となっています。
それを裏付けるように、首都高の案内マップでも「環七通りをご利用の方はこの出口をご利用ください」とわざわざ吹き出しで注釈を入れるほど。
つまり、ドライバーにとっては「環七=東領家出口」という「事前認識」が頭に入っていることになります。
となると、川口JCT手前でも、環七から都内移動したいドライバーにとっては「とりあえず東領家で下りるぞ」「東領家で下りたい」という意識が強まっています。そんな中で、川口JCTの複雑な分岐の際に「東領家は直進です」と案内されることが、脳の記憶と直結してくれるので、咄嗟の判断に助かるというわけです。
もちろん、東領家出口の手前では「環七通り 川口」という補助案内があります。しかしそもそも川口JCTでうっかり外環道へ行ってしまっては、元も子もありません。そこで、まずは首都高川口線にきちんと入ってもらうために、東北道の段階で「東領家」という案内を出しているのです。
Writer: くるまのニュース編集部
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