「チャイルドシート」いつ「卒業」が正解!? 気をつけるべきは「身長制限」! 「道交法」より厳しい「子どもを守る」ための“基準”とは
日本では「6歳未満の幼児」に義務付けられている「チャイルドシート/ジュニアシート」。子どもの身体が成長して大きくなれば、もう装着しなくても良いものなのでしょうか。
道交法上は「6歳未満」に義務付け! しかし安全上は「身長」基準が重要!
6歳未満の幼児に義務付けられている「チャイルドシート/ジュニアシート」ですが、それでは「いつ卒業」するのが「正解」なのでしょうか。
![「チャイルドシート」の適切な「卒業時期」とは!?[画像はイメージです]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/01/20250115_Childseat_pixta_97790352_M.jpg?v=1736936677)
チャイルドシートの使用に関しては、道路交通法第71条3の3において、以下のように定められています。
「自動車の運転者は、幼児用補助装置を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない」
この「幼児」とは、同法14条3において「6歳未満のものをいう」と規定されており、要するに6歳未満の幼児を乗せる際は、ドライバーは幼児用補助装置(いわゆるチャイルドシートや「ジュニアシート」)を使用しなければならないということになります。
となると、6歳に達したらチャイルドシートやジュニアシートは使用しなくても良いと解釈できますが、これはあくまでも道路交通法上の話です。
JAF(日本自動車連盟)によると、クルマに装備されているシートベルトの適合身長は「150センチ以上」であり、それよりも身長の低い人にはシートベルトが身体に合わないため、万が一の事故の際、シートベルトが激しく食い込んでしまい、かえって凶器となってしまうことが考えられるとのこと。
シートベルトは、鎖骨や胸郭、骨盤などの衝撃に耐えられる箇所で着用するようにつくられています。
しかし身長(座高)が足りないと、首や腹部など衝撃に耐えられない箇所に強い力が加わってしまうことで、シートベルトが凶器になってしまう可能性があるのです。
厚生労働省のデータでは、6歳児の平均身長は116センチ程度だといい、シートベルトの適合身長とは大きく異なります。
JAFは、6歳児のダミー人形を使い、走行速度55km/hで正面衝突の実験をおこなっています。
ジュニアシートを使用しないでシートベルトを着用していた後席(2列目)のダミー人形は、衝突の衝撃で体が前に押し出され、肩ベルトは首に、腰ベルトは腹部にそれぞれ激しく食い込む結果に。
一方、同じ条件下でジュニアシートを正しく使用した6歳児のダミー人形は、衝突の衝撃を受け止めることができていました。
2024年8月、福岡県の国道で発生した路線バスと軽自動車の衝突事故では、軽乗用車の7歳と5歳の姉妹が死亡するという痛ましい結果となっています。
報道によると、姉妹はチャイルドシートやジュニアシートを使用しておらず、シートベルトで腹部が圧迫されたことで死亡したとみられるようです。
道交法上はチャイルドシート/ジュニアシート着用義務のない7歳でも、シートベルトが凶器となってしまったのです。
なお厚生労働省によると、身長150センチは12歳の平均身長にあたるといいます。
これ以下の身長では大人用のシートベルトはかえって危険であり、チャイルドシートが窮屈になったらジュニアシートにするなど、成長に合わせて装備を見直しましょう。
そして150センチに達するまでは、チャイルドシート/ジュニアシートを使用するようにしてください。
※ ※ ※
また、チャイルドシート/ジュニアシートと同じくらい、着座時の姿勢も重要です。
シートベルトを着用していても、シートの背もたれが寝てしまっていると、衝突の衝撃で、シートベルトの拘束から身体が抜けてしまい、座席から滑り落ちて足元に潜り込んでしまう「サブマリン現象」に陥ってしまいます。
JAFの実験では、ダミー人形がグローブボックスを破壊するほど膝を強打したとのこと。子どもに限らず、大人もクルマには正しい姿勢で乗車するようにしてください。
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