2025年1月10日から12日まで幕張メッセ（千葉市美浜区）で開催される「東京オートサロン2025」にて、日本自動車大学校（千葉県成田市／以下NATS）は「NATS LFA-2 GTconcept（以下LFA-2 GTコンセプト）」の実車を初公開しました。

　NATSは、日本を代表する自動車技術者養成校であり、4つの学科をもとにクルマ業界で活躍するプロフェッショナルを育成しています。

　また、実践的な教育環境が設けられており、一例としてカスタマイズ科は1997年に創設されて以来、授業で得た技術をもとに卒業作品としてカスタムカーを製作し、長年東京オートサロンに出展してきました。

　そんなNATSが今回出展したLFA-2 GTコンセプトは、2021年12月にトヨタが開催した「バッテリーEV戦略に関する説明会」で世界初公開された、レクサスの次世代電動スポーツコンセプトカー「エレクトリファイドスポーツ」からインスピレーションを受けています。

　エレクトリファイドスポーツは、レクサスのスーパーカー「LFA」の走行性能を電動化技術で進化させた次世代モデルとして注目されました。

　NATSの学生たちは、このエレクトリファイドスポーツが日本を代表するGTレース「スーパーGT」のGT500クラスに参戦するシーンを想定。

「カスタムが好きな人にモータースポーツの素晴らしさを、モータースポーツが好きな人にカスタムの素晴らしさを伝える」をテーマに、独創的なデザインと仕様でLFA-2 GTコンセプトを仕上げました。

　ベース車両には、比較的手に入りやすくパーツなどの選定がしやすいことから、2012年式のトヨタ「86（ZN6型）」を採用。

　しかし、そのまま使用するのではなく、前輪を前方に移動させるなどしてホイールベースを250mm延長し、レーシングカーらしいプロポーションを実現。

　外装は完全にオリジナルデザインで製作され、エレクトリファイドスポーツ風の大胆なフォルムが特徴的です。

　車体を大幅にワイド化し、大型GTウイングを装備するなど、見る者を圧倒するレーシングマシンの姿に仕上がっています。

　また、ボディカラーには日本のモータースポーツ史を象徴する「カストロールカラー」が採用され、往年のファンにとっても特別な存在感を放っています。

　ちなみに外装パーツには、VALENTIのLEDテールランプやレクサス「NX」のポジションランプ、トヨタ「クラウンクロスオーバー」のヘッドライトなどが使用されており、学生たちの発想力が随所に見られます。

　また、内装にはRECARO製シートやSPARCO製ステアリングなどが搭載され、スポーティで機能的な空間が演出されています。

　エンジンにも手が加えられ、最高出力はノーマルの200psから266psに、最大トルクは205Nmから313.8Nmに向上しています。

　このパワーアップによって、LFA-2 GTコンセプトはその見た目に負けないパフォーマンスを実現しました。

　そんなレーシングマシンとカスタムカーの垣根を超えた1台ですが、特にこのモデルを完成させるにあたってボンネットの製作が一番苦労したとのこと。

　これについて、製作に携わった学生たちは

「FRPの型の成形が上手く行かなくて、ギリギリになってベース車両である86のボンネットを延長する加工を施してつけようということになり、それが出来上がったのが東京オートサロン前日でした」

　と語っていました。

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　NATSはほかにも、スズキの本格軽SUV「ジムニー」をベースとした「NATS SAMURAI（サムライ）」や「NATS MINI RANGER（ミニレンジャー）」などを含む全8台のクルマを披露していました。