10月に「日本イチ売れたクルマ」は“軽”じゃない! 小型SUV&「背の高い軽」は根強い人気? 「トヨタ勢」はトップを席巻… 販売台数ランキング発表

2024年10月の車名別販売台数ランキングが発表されました。登録車と軽自動車で販売トップ10にランクインしたのはどのクルマなのでしょうか。

2024年10月に売れたクルマは?

 日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)は2024年11月7日、2024年10月の車名別販売台数ランキングを発表しました。

10月に乗用車1位となった「ヤリス」(改良前モデル)
10月に乗用車1位となった「ヤリス」(改良前モデル)

 自販連は登録車(5ナンバー/3ナンバー)ランキング、全軽自協は軽乗用車のランキングをそれぞれ発表しています。

 発表されたランキングは通称名別です。例えば登録車のトヨタ「ヤリス」には、コンパクトカー「ヤリス」、コンパクトSUV「ヤリスクロス」、コンパクトスポーツ「GRヤリス」が含まれます。

 軽自動車のスズキ「ワゴンR」には、「ワゴンR」「ワゴンR カスタム」「ワゴンR スティングレー」「ワゴンR スマイル」が含まれるなど、同名シリーズ全体が合算されています。

●2024年10月 登録車ベスト10

 ・1位:トヨタ「ヤリス」(1万6830台)
 ・2位:トヨタ「カローラ」(1万4865台)
 ・3位:トヨタ「ルーミー」(1万2868台)
 ・4位:トヨタ「ライズ」(1万453台)
 ・5位:トヨタ「プリウス」(9337台)
 ・6位:トヨタ「シエンタ」(9161台)
 ・7位:ホンダ「フリード」(8091台)
 ・8位:日産「ノート」(7618台)
 ・9位:トヨタ「ノア」(6789台)
 ・10位:トヨタ「アルファード」(6591台)

●2024年10月 軽乗用車ベスト10

 ・1位:ホンダ「N-BOX」(1万6821台)
 ・2位:スズキ「スペーシア」(1万4234台)
 ・3位:ダイハツ「タント」(1万609台)
 ・4位:スズキ「ハスラー」(7763台)
 ・5位:ダイハツ「タフト」(6825台)
 ・6位:スズキ「ワゴンR」(6070台)
 ・7位:スズキ「アルト」(5348台)
 ・8位:ダイハツ「ムーヴ」(5194台)
 ・9位:日産「ルークス」(4915台)
 ・10位:三菱「デリカミニ/eK」(4590台)

 2024年10月の新車(登録車)販売台数ランキングは、トヨタ「ヤリス」(販売台数1万6830台)が1位を獲得しました。軽自動車も含めた乗用車では1位に輝いています。

 これに続きトヨタ「カローラ」「ルーミー」「ライズ」と続き、トヨタがトップ6を席巻。なおヤリス、カローラがそれぞれシリーズ合計であるため、単一車種としてはルーミーが1位ということになります。

 4位の「ライズ」は久々のランクインとなりました。2019年11月の発売からSUVとしてはトップの販売台数を維持していましたが、製造元のダイハツによる認証不正問題で出荷が停止され、長らく10位圏外であり、再びSUV単一車種としてはトップに返り咲いています。

 7位のホンダ「フリード」は、6月28日に新型の3代目が発売されました。デザインを一新したほか、2モーターハイブリッド「e:HEV」の搭載や先進運転支援「ホンダセンシング」の機能向上などを図っています。

 発売わずか1ヶ月では累計3万8000台を受注し、良い滑り出しを記録しています。5位と並ぶシエンタとはライバル関係にあり、今後の推移にも注目されます。

 8位は日産「ノート」です。日産の主力コンパクトカーで現行型は3代目。2023年12月にマイナーチェンジされ、その後は好調な売れ行きを推移しています。上級モデル「ノートオーラ」も6月13日に発売され、2モデルの展開です。

 軽自動車のランキングでは、ホンダ「N-BOX」(販売台数1万6821台)が1位を獲得。

 現行型は3代目で2023年10月に登場。キープコンセプトとしつつ、先進機能などを高めています。9月にはアウトドアテイストを高めた新タイプ「N-BOX JOY」を追加設定し、人気のSUV風デザインを取り入れたことで、今後の売れ行きにも期待が高まります。

 2位となったスズキ「スペーシア」は2023年11月に全面刷新を実施。ラインナップでは9月にSUVタイプの「スペーシアギア」がフルモデルチェンジを迎えており、こちらはN-BOX JOYの好敵手として追い上げを図ります。

 3位のダイハツ「タント」は人気の軽スーパーハイトワゴンですが、ダイハツの認証不正により受注を停止。これが解除となり、再び上位にランクインすることになりました。11位につけた「ミラ」も同様です。

 4位のスズキ「ハスラー」は2024年5月に改良を実施。機能の拡充や新タイプ「タフワイルド」の設定で、堅調な売れ行きです。

※ ※ ※

 登録車(普通車)と軽自動車をすべて含んだ2024年10月の総合ランキングは以下の通りです。

●2024年10月 乗用車ベスト10

 ・1位:トヨタ「ヤリス」(1万6830台)
 ・2位:ホンダ「N-BOX」(1万6821台)
 ・3位:トヨタ「カローラ」(1万4865台)
 ・4位:スズキ「スペーシア」(1万4234台)
 ・5位:トヨタ「ルーミー」(1万2868台)
 ・6位:ダイハツ「タント」(1万609台)
 ・7位:トヨタ「ライズ」(1万453台)
 ・8位:トヨタ「プリウス」(9337台)
 ・9位:トヨタ「シエンタ」(9161台)
 ・10位:ホンダ「フリード」(8091台)

 2024年10月の総合では、久しぶりに1位が入れ替わった形になりました。一方、「ヤリス」はシリーズ合算であることに留意が必要です。

 上半期の傾向では、直近でモデルチェンジを果たしたクルマが多いことや、背の高い軽スーパーハイトワゴンやハイトワゴンが人気であることが伺えます。そのほか、コンパクトミニバンや小・中型SUVも引き続き高いシェアを獲得しています。

 軽自動車ではSUV風のスタイルを持つスーパーハイトワゴンのラインナップ拡充が進んでおり、現在のトレンドになっています。

 また、2020年から始まった半導体不足による長期の納車待ちや、それが改善されたことによる新車の供給過多・デリバリーの詰まりは解消されていますが、一部では受注停止となっている人気車もあり、引き続きランキングに変動が生じる可能性があります。

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