アメリカの自動車オークションサイト「Cars＆Bids」において、三菱「エクリプススパイダー」が出品され、9500ドル（約133万円）で落札されました。

　この車両はカナダのオンタリオ州から出品されたもので、年式は2009年モデル。走行距離は約6万6200kmと年式の割には低走行で、ワンオーナー車という貴重なもの。

「エクリプス」の名前が冠されたモデルは現在、クロスオーバーSUV「エクリプスクロス」が存在していますが、オリジナルのエクリプスは1989年に2ドアスポーツカー「スタリオン」の後継車種として北米市場をメインとして登場しました。

　当時、クライスラーと提携関係にあった三菱は、日米貿易摩擦に対応するために「ダイアモンド・スター・モーターズ」という合弁会社を設立し、そこで生産されていたのがエクリプスだったのです。

　当時の「ギャラン」のコンポーネンツの多くを流用して生まれたエクリプスは比較的安価でありながら、高い走行性能を備えたクーペとして人気を博し、1994年には2代目モデルへとフルモデルチェンジ。

　1996年にはコンバーチブルモデルのスパイダーも追加され、のちに映画「ワイルドスピード」に登場したことでも知名度を高めました。

　そして1999年には3代目モデルが、2005年には4代目モデルが登場し、2012年まで販売されたのち、姿を消すこととなったエクリプスは、日本でも3代目モデルまでは輸入販売がなされていました（3代目モデルはスパイダーのみ）。

　4代目エクリプスは、直列4気筒2.4Lリッターエンジンを搭載したモデルと、V型6気筒3.8リッターエンジンを搭載したモデルが存在していますが、オークションに出品されたのはV6 3.8リッターエンジンを搭載した「スパイダーGT」で、その中でも希少な6速MTと組み合わされたもの。

　さらにボディカラーは「サンセットパールセント」と名付けられた鮮やかなオレンジで、内装色は2009モデルではこのボディカラーにのみ用意された「テラコッタ」（そのほかチャコールも選択可能）となっている点も希少さに輪をかけています。

　カスタマイズベースとしても人気のエクリプスでしたが、この車両はワンオーナーかつ、フルノーマルの状態をキープしており、ガレージ保管かつ冬季は運転されることがなかったという過保護ぶりであることを考えると、9500ドルという価格はむしろお買い得と言えるかもしれません。

　残念ながら三菱はこのエクリプスを最後に北米専売モデルから撤退し、同時にクーペ／コンバーチブルモデルの生産も途絶えてしまっているため、今後価値が上昇していくモデルとなる可能性は高いのではないでしょうか。