“4分短縮”で総工費は259億円!? 今年は「夏だけ通れる?」 札幌-富良野のアクセスめちゃ向上! 開通に大きな意味がある!? 新ルート誕生の理由は
なぜ美唄富良野線は出来たのか? その理由とは
ここで、先ほども取り上げた、札幌から富良野へのルートをあらためて見てみましょう。
札幌から三笠あるいは美唄までは、道央道を走るので従来のルートも新たなルートも直線的で走りやすい道です。
しかし、道央道を下りてからのルートには、大きく異なる部分があります。
従来のルートで岩見沢三笠線を走りきった後、国道452号に入り富良野へ向かいます。
この国道452号の区間は急なカーブが続き、走るのに注意が必要です。
カーブの多い区間を過ぎると、美唄富良野線の以前より開通しているルートと合流します。
一方、美唄富良野線で今回、開通した部分には全長654mの「東美唄トンネル」、全長1821mの「幌子トンネル」が貫通し、可能な限り直線的になるようにした経路設計の努力がうかがえます。
短縮される時間はわずか4分とはいえ、ドライバーが感じるストレスや事故のリスクを軽減するのが、美唄富良野線だといえるでしょう。
何より、ラベンダー畑やドラマ「北の国から」のロケ地として全国的に知られる富良野へのアクセスが向上することは、地元の人々だけでなく観光客にとってもメリットがあります。
ルートが複数できれば、こうした観光シーズンに走る車が分散されますし、降雪時や万が一、災害が発生した際も物資輸送ができないリスクを減らせるでしょう。
実際、北海道開発局も美唄富良野線建設の目的を、「南空知地域と上川南部地域の短絡ルートが形成され、農産物流の支援、観光アクセス向上等に寄与します」としています。
そんな美唄富良野線について、北海道空知総合振興局札幌建設管理部の担当者は次のようなコメントしています。
「今回、新たに開通する美唄市から芦別市までの区間は、約40年という長期の工事を経て完成しました。
この路線の開通により、観光地へのアクセスが良くなり、物流がスムーズになることで地域経済の活性化が期待されています。
さらに、道路網の多重化により災害時の迂回路も確保され、地域の安全性が一層高まります。
ぜひ、この新しい道路を利用して、地域の魅力や便利さを実感してください」
※ ※ ※
やはりルートの選択肢が増えることや新たな設計の道路ができることは、短縮される時間は限られていても、通航する人にとっては少なくないメリットがありそうです。
なお2024年の冬において、美唄富良野線は安全面での検討を行うため、美唄ダムから国道452号までの区間で通行止めとなる予定です。
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