福井~高山「無料で信号ゼロ」全通に黄信号!? 開通めど「いったん白紙」が正式決定 中部縦貫道「大野油坂道路」“最後の1工区”で困難多発
国土交通省 福井河川国道事務所は2024年9月6日、福井県内で整備中の中部縦貫道「大野油坂道路」工区について、難工事をうけ開通見通しをいったん白紙にすると発表しました。
難工事部分はほぼ完了
国土交通省 福井河川国道事務所は2024年9月6日、福井県内で整備中の中部縦貫道「大野油坂道路」工区について、開通見通しをいったん白紙にすると発表しました。
大野油坂道路は、国道158号のバイパスとして、福井県と岐阜県をつなぐ山岳区間を高規格化するものです。道路ネットワークとしては、福井~郡上~高山~松本をつなぐ「中部縦貫道」の一部となります。
完成すれば、北陸道と東海北陸道、高山市内が信号ゼロかつ、急カーブ・急勾配無しでつながることとなり、両県の回遊性が飛躍的に向上すると期待されています。
県境付近の国道158号は長い長い山道が続き、ドライバーを疲弊させてきました。そこに整備される大野油坂道路は、2023年10月に九頭竜ICまでが開通。「残り1工区」というところまで来ていました。
開通見込みは、当初は「2026年春」となっていました。トンネルもほぼ仕上げ段階で、このまま順調に開通を迎えると思われていました。
しかし、油坂IC寄りにある「新子馬巣谷橋(仮)」で問題が多発。掘削用のケーソンがなかなか奥まで入らず、逆に完成済みの橋台が沈下しはじめ、さらに周辺の斜面に亀裂が発見されたほか、橋桁架設のための機材を置く場所に地すべり可能性があるなどし、それぞれ対応に追われています。また、掘削進捗率91%に達した「大谷トンネル」でも、湧水発生などのトラブルが起きているとのことです。
有識者への意見などを反映し、設計変更や現場精査、設計費の見直しが必要となりました。そのため、当初の2026年春に開通が間に合いそうにないと判断されたわけです。
新たな開通見込みは「精査完了後、速やかに共有する」としています。
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