さらに氷路面でビタッと止まる!? トーヨータイヤの新スタッドレスタイヤ「オブザーブGIZ3」の実力を試してみた
スラロームではしっかりとした手応え
続いて、スラロームでの試乗をおこないます。
試走コースはハンドルを右に左に1回転ずつ回す必要があるスラロームから始まり、小さな半径の定常円旋回を数周走り、直線区間で加速したあとにブレーキテストというハンドル、アクセル、ブレーキのチェックができる設定です。
最初に従来モデルの「オブザーブGIZ2」に乗ったあと、いよいよ新商品のGIZ3に乗り込みました。
走り始めてすぐに、新商品GIZ3のハンドルの手応えが、従来品GIZ2よりしっかりしている感じが伝わってきました。アイスグリップが明確に強くなったことが手応えでわかります。
スラロームや円旋回ではフロントタイヤがハンドルに反応してちゃんと曲がってきてくれますが、このときも手応えがありました。コーナリング中にさらに切り足すケースでも新商品のGIZ3の方が追従してくれるので安心感がありました。
ハンドルを切ってコーナリングしているときにさらにアクセルも踏み込むと、FWDなのでフロントタイヤのグリップ限界が来ますが、その限界レベルも新商品GIZ3の方が高く感じました。
またグリップ限界が高いだけでなく、限界を超えて滑り出してからアクセルを少し戻したときに「GIZ3」の方がグリップの回復が早く、滑りのコントロール性が良いのでここでも安心感がありました。
また円旋回での限界スピードがGIZ3の方が時速2km/hほど高かったのをデジタルスピードメーターで確認しています。
経年変化による性能劣化の抑制と低減した転がり抵抗
さらに今回試せなかった部分も向上しています。
まずは経年変化による性能劣化が抑えられていることです。スタッドレスタイヤは2年、3年、4年と使っていくとゴムが硬くなるなどでアイス性能が落ちていくケースが多いですが、新商品のGIZ3はその落ち込みが小さい、つまりアイス性能の効きが長持ちするということです。そもそも新品時のアイス性能が高いGIZ3ですが、そのグリップの高さを長年使えそうです。
ただし、レーダーチャートの性能グラフを見ると、ライフ性能の項目では走行距離に対する摩耗度は従来品のGIZ2の方が有利なようです。
同じくウエットブレーキ性能もGIZ2のほうが有利になっていますが、そもそもGIZ3は十分な性能レベルにあるので問題ないという説明がありました。ソフトなコンパウンドを採用したことでアイス性能を上げた代償でしょう。
つぎにスタッドレスタイヤは夏タイヤに比べると転がり抵抗が大きい傾向にありますがGIZ3は転がり抵抗が10%低減しているということです。
転がり抵抗が小さくなれば燃費にも有利になりますから、環境性能にも配慮したタイヤということですが、ソフトコンパウンドでも転がり抵抗を小さくできるのかと感心しました。
トーヨータイヤにとっては4年ぶりの乗用車用スタッドレスタイヤの新商品の登場ですが、大幅なレベルアップを果たしたようです。
2024年8月の発売時点では13インチから20インチまで68サイズをそろえており、最近売れているSUVのサイズも用意されています。
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