伊勢湾岸道~中部空港に「最短ルート」建設中! 橋脚ニョキニョキで「東海IC」大変化!?「西知多道路」工事はどこまで進んだのか
伊勢湾岸道から中部国際空港へ最短ルートとなる高規格道路「西知多道路」の建設が進んでいます。工事はどこまで進んだのでしょうか。また完成すればどう便利になるのでしょうか。
「東海JCT」姿が見えてきた!
国土交通省は2024年6月27日、愛知県の知多半島方面で整備中の高規格道路「西知多道路」について、進捗状況を確認する会議を行いました。
工事はどこまで進んだのでしょうか。また完成すればどう便利になるのでしょうか。
西知多道路は、伊勢湾岸道の「東海JCT」から直結ランプを通じて南下し、知多市の臨海工業地帯を抜けて、知多横断道路に「常滑JCT(仮)」で直結する、総延長約18.5kmの高規格道路です。
知多市内には、すでに「西知多産業道路」があります。しかし伊勢湾岸道に直接つながっておらず、いったん高架下で右左折の信号待ちが必要なため、渋滞の原因になっています。また片側2車線でパンク状態になっています。
これらの解決のため、伊勢湾岸道の東海ICをジャンクション化し、伊勢湾岸道からランプで高架として産業道路へ入る構造に作り変え、さらに片側3車線に拡幅します。
知多市内から南側は、信号が連続する国道155号のバイパスとして、臨海工業地帯から中部国際空港への最短ルートを構築します。
開通すれば、いままで伊勢湾岸道につながっておらず不便だった有料道路「知多半島道路」に代わり、伊勢湾岸道からまっすぐ南下する空港アクセスが実現します。
このように、北側と南側でそれぞれ性質の違う「西知多道路」ですが、現在動いているのは、東海JCT周辺の伊勢湾岸道直結ランプ部(2.0km)と、南側の知多市~常滑市の新設バイパス区間(9.6km)です。中間の産業道路6車線化部の大半は、まだ事業化していません。
さて、会議で明らかになった進捗状況ですが、東海JCTのランプ高架は、橋脚がニョキニョキと姿を現してきました。5月末時点で19本の橋脚が完成し、橋桁も四日市側から順次架けられています。国道302号を跨ぐ部分も、一部通行止めによる夜間工事を繰り返しながら、ダイナミックなランプの姿を現場で見せています。
ここで、橋脚基礎は「ケーソン基礎」として、掘削作業用の箱筒(ケーソン)を土中に少しずつ沈めていく工法ですが、土質の摩擦が想定より大きく、ケーソンが思うように沈んでくれないという悩みがあるようです。ドリルで周辺を削孔するなどして、摩擦を下げて対応しているため、施工日数が6割増しに伸びているといいます。
いっぽう、南部のバイパス新設区間では、時間のかかる橋梁工事が先行して各地で進められています。各橋梁で橋脚が姿を現していて、青海IC周辺ではすでに橋桁架設が着手済みです。
課題は用地取得が完了していないこと。取得率は、長浦IC~日長ICで約63%、日長IC~青海ICで約87%、青海IC~常滑JCTで約96%だといいます。
大半が未事業化の産業道路6車線化については、まだどんな形にするのか、課題整理の段階だといいます。
ひとまず、渋滞激しい東海ICのジャンクション化と、南部の「空港直結バイパス」の完成を最優先に進められている西知多道路。これらの現工区の完成目標は2027年度となっています。
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