「えっ…!」スーパーカーと国産車「同じライト」ってマジ!? なぜ「ランボルギーニと日産」「ロータスとトヨタ」“共通パーツ”なのか
意外!? トヨタ AE86のテールランプを流用したスーパーカーとは
いまでも根強い人気のある「リトラクタブルヘッドライト」も、実はSAE規格による産物と言えるものです。
空力性能が特に重視されるスポーツカーでは、空気抵抗を減少させるためにフロントノーズを低くすることが望ましいとされますが、SAE規格のヘッドライトはそうしたデザインの実現をさまたげるものとして、多くのデザイナーを悩ませてきました。
そのなかで、リトラクタブルヘッドライトは空力性能とデザインを両立するためのベストな手段のひとつとして、1980年前後のスポーツカーなどに多く採用されるようになりました。
一方、1990年代になると、アメリカなどの主要市場における規制緩和などもあって、ヘッドライトのデザインの自由度が大きく増したため、あえてリトラクタブルヘッドライトを採用する必要がなくなり、多くのクルマが一般的な埋込み型のヘッドライトを採用するようになったのです。
ただ、当時の埋込み型のヘッドライトには一定の高さが必要であり、スポーツカーの低いフロントノーズと組み合わせると、ヘッドライトの部分が浮き上がるようなデザインとなることは避けられません。
そうしたデザインを「良し」としなかったのが、当時を代表するスーパーカーであるランボルギーニ「ディアブロ」でした。
1990年にデビューした際にはリトラクタブルヘッドライトが採用されていたディアブロですが、1999年に登場した後期型からは埋込み型のヘッドライトへと変更されました。
その際、ヘッドライトカバーには日産「フェアレディZ」(4代目・Z32型)のものが採用されました。
その背景には諸説ありますが、ディアブロらしいデザインを守りつつ各種規制をクリアできるのが当時のフェアレディZのヘッドライトであったと言われています。
もちろん、ランボルギーニ自身がヘッドライトを製造するという選択肢もあったと思われますが、わずか1000台ほどのために法規対応をふまえてヘッドライトを開発・製造するのはあまりにリスクが大きいと判断されたようです。
同様のケースはほかにもあります。
今でも人気の高いトヨタ「カローラレビン」(AE86型・前期型の3ドアハッチバック用)と、ロータス「エスプリ」(後期モデル)のテールランプも、共通パーツの代表例として挙げられます。
これは当時、トヨタがロータスに車両開発の協力を依頼するなどの関わりがあったことが少なからず影響していたようです。
また2010年に登場したケーニグセグ「アゲーラ」のリアフォグランプとリフレクターには、マツダ「RX-7」のものが流用されています。
新車価格が億単位におよぶ「ハイパーカー」のひとつであるアゲーラですが、あえてRX-7の部品を流用する狙いは、開発期間の短縮を図ることにあったと言われています。
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近年ではLEDライトが普及したことや、「デイタイムランニングライト(DRL)」の搭載が一部地域で義務付けられたことで、ヘッドライト周辺のデザインもさらに変化を見せつつあります。
そのため、複数のモデルでヘッドライトを共有するというケースは今後さらに珍しいものとなっていきそうです。
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