「えっ…!」スーパーカーと国産車「同じライト」ってマジ!? なぜ「ランボルギーニと日産」「ロータスとトヨタ」“共通パーツ”なのか
かつて、まったく異なるモデルでも似たようなヘッドライトが採用されるケースが珍しくありませんでした。そこには技術的な問題とは別に、そうせざるを得ないある大きな理由がありました。
昔は似たようなヘッドライトが多かった! その理由とは?
近年、一見するとまったく異なるように見えるモデル同士であっても、実は多くの部品が共有されているというケースはめずらしくありません。
いわゆる「プラットフォーム戦略」と呼ばれるこうした手法は、多様化するユーザーのニーズへの対応とコスト削減や生産効率の向上を両立させるものとして、現在では多くの自動車メーカーによって採用されています。
ただ、プラットフォームは同じモデルであっても、エクステリアやインテリアのデザインを変化させることで、それぞれのモデルの差別化を図ることが一般的です。
たとえば、トヨタのミドルクラスSUV「ハリアー」と「RAV4」は、プラットフォームをはじめとする多くの部分を共有していますが、それぞれのデザインは大きく異なります。
特に、ヘッドライトやリアコンビネーションランプをはじめとする灯火類は、そのモデルの印象を決定づける重要な要素のひとつということもあり、それぞれのモデルでオリジナルのデザインを採用するケースがほとんどです。
一方、1970年代から1980年代頃のモデルを見ると、ヘッドライトのデザインが似通っているものが少なくありません。それどころか、まったく同じ部品を用いている例もしばしば見られます。
いわゆる「プラットフォーム戦略」が一般的ではなかった当時、なぜ灯火類だけが積極的に共有されたのでしょうか。
そこには当時世界最大の自動車販売市場であった、アメリカの主要な工業規格である通称「SAE規格」が大きく関わっています。
実は「自動車技術者協会(Society of Automotive Engineers:SAE)」が定めたSAE規格では、1984年までわずか4つ(丸型および角形の2灯/4灯)の形状のヘッドライトしか認められていませんでした。
その背景には、最重要保安部品のひとつであるヘッドライトが故障した際、広い国土をもつアメリカのどこであってもすぐに交換部品を用意できるようにするという理由があったとされています。
そうした事情もあり、アメリカ国内で販売されるクルマのヘッドライトは事実上4種類のみに制限されていました。
さらに、アメリカと日本の両市場を含む世界各国で販売されるモデルについても、多くの場合でこのSAE規格のヘッドライトが採用されていました。
もちろん、それにくわえて、当時の技術では複雑なヘッドライトを製造することが難しかったという事情もあります。
ただ、当時のクルマのヘッドライトのデザインにSAE規格が大きく関係していることは疑いようのない事実です。
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