マツダが新型「ロータリースポーツ」登場へ!? 美しすぎる「和製スポーツカー」のスペックは?価格は? 期待高まる「アイコニックSP」どうなるのか

2023年秋のジャパンモビリティショーでお披露目され、会場を大きくわかせた「アイコニックSP」。市販化に向けた動きもあるといいますが、どうなるのでしょうか。考察します。

マツダの新型「ロータリースポーツ」どうなるのか

 2023年秋のジャパンモビリティショーでお披露目され、会場を大きくわかせた「アイコニックSP」。マツダがコンセプトカーとして出展したロータリーエンジン搭載のスポーツカーで、ショーにおいてもっとも人気を集めた車両と言っても過言ではないでしょう。

どんなクルマになるのか…マツダ 新型ロータリースポーツカー「アイコニックSP」
どんなクルマになるのか…マツダ 新型ロータリースポーツカー「アイコニックSP」

 パワートレインは「2ローターのロータリーエンジンを組み合わせたプラグインハイブリッド」とされ、公表されたシステム最高出力は370ps。エンジンの動力を直接タイヤに伝えるのではなく、エンジンで起こした電気(とバッテリーに貯めた電気)を使ってモーターを回して駆動力とするシステムとマツダは説明します。

 実はモビリティショー会場では、アイコニックSPのお披露目とともにマツダは興味深いトピックを発信。「この夢に近づくべく、ロータリーエンジンの開発グループを立ち上げる」と同社の毛籠勝弘社長が明らかにしたのです。

 追って2024年2月1日には「6年ぶりにロータリーエンジン開発を専門とするチームが復活した」とアナウンスされ、36人が所属し、プラグインハイブリッド車の発電機用としてロータリーエンジンの開発を進めるといいます。

 マツダの廣瀬一郎取締役専務執行役員兼CTOは「ロータリーエンジンはマツダの『飽くなき挑戦』を象徴する存在」と、その存在がいかにマツダにとって重要であるかを述べました。

 こうして「現実化への道」を歩みだした「次のロータリーエンジン」ですが、勘違いすべきでないのはアイコニックSPの市販が確定したというわけではないこと。

 しかし間違いないのは、マツダ自身も「アイコニックSPを市販したい」と願っていることです。

 役員レベルまで含め、マツダの関係者と話をしていると彼らが「状況さえ許せば送り出したい。なんとか市販できる状況を作りたい」と願う熱い気持ちを持っていることがひしひしと伝わってくるのです。

 では、もしアイコニックSPが市販化となればどんなクルマになるのでしょうか。

 まずは、ショーカーとして出展されたデザインが強く反映されるのは間違いないでしょう。モビリティショーにおけるアイコニックSPの評価のひとつが「美しいスタイル」でした。

 それはマツダもしっかり受け止めており、市販モデルにもしっかり受け継がれると期待できるはず。

 もちろんショーモデルはそのまま市販することを考えていないので、「バッテリーをどこへ置くか」とか「歩行者保護の観点から法規対応が難しそうなリトラクタブルヘッドライトをどうするか」といった解決しなければいけない部分はいくつもあります。しかし、そこはデザインチームが頑張ってくれることでしょう。

 ショーカーにおいて「2ローターのロータリーエンジンを発電用とするプラグインハイブリッド」とされているパワートレインは、そのまま市販化されると考えていいでしょう。

 ロータリーエンジンは燃費がウィークポイントなだけに、さすがに純エンジン車としてロータリー搭載モデルを発売するのは厳しそうです。

 いっぽうでロータリーエンジンを直接の駆動力とする仕様の発売にも期待したいところ。燃やしても二酸化炭素を発生しない水素(ロータリーと相性がいい)を燃料とする水素ロータリーや、モーターでアシストするターボを加えつつエンジンの駆動力も使う高出力ハイブリッドなどを実現すれば、これまで「RX-7」を乗ってきたロータリーファンも納得しやすいのではないでしょうか。

 ただし、現実を直視する必要があるのは価格。できれば「手の届く範囲で……」という気持ちはもちろん筆者も強いですが、ロータリーエンジンを搭載するプラグインハイブリッドである「MX-30 R-EV」の新車価格が400万円以上であること考えると、専用ボディ&プラットフォームに2ローターを搭載となれば、500万円どころでは収まらないことは容易に想像できます。

 受け手側も「安い価格では成り立たない商品」であることをしっかり認識する必要があるでしょう。

 アイコニックSPの市販化を考えたときには、高価なプライスタグでどのくらいの人が購入してくれるのか?それは商売として成り立つのか?…といったあたりがカギとなってくるのかもしれません。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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4件のコメント

  1. 今どきこの安全性の引いライトとそのデザイン思想は全く受け入れられない。
    マツダのデザイン部門は発言力を持ちすぎた。
    ボンゴなど実用車のデザインやその実用性は地味ながら非常に良いものが多い。
    今一度原点に戻るべき。

  2. マイコニックとか変な名前は止めてもらいたいw これじゃ◯◯チ○ンカ◯ラみたいじゃねえか!

  3. ロータリーエンジンの最大の欠点は熱効率が悪く排ガス規制をクリア出来ない事 なので発電用途限定(しかも稼働時間は極力短く)で決定 あのボディラインをプレス出来るのかさえ不明状態 リトラクタブルヘッドライトは欧州を中心に新車のデイライト設置義務が進み需要は無くなる 正に0からの車造りを要求され開発コストは1000億円を超えるだろう。当然、その分 市販価格も上昇 1000万〜1500万円位か?数は出ない。赤字には出来ない 前途多難だな。

  4. マツダはファンがどんな理想を求めているか良く分かっているわな
    リトラクタブルヘッドライトも何らかの形でその意匠を残してくれると良いなぁ

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